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主将・鈴木が執念の延長V弾!100分間の「激闘」制した秋田商が4連覇に王手!:秋田

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延長前半4分、秋田商高FW鈴木宝主将(9番)が決勝ゴール

[10.25 選手権秋田県予選準決勝 秋田商高 3-2(延長)新屋高 八橋陸]
 
 秋商が激闘制す! 第97回全国高校サッカー選手権秋田県予選準決勝が25日に行われ、昨年度優勝校の秋田商高と同準優勝の新屋高が激突。延長前半4分にFW鈴木宝(3年)が決めた決勝点によって、秋田商が3-2で競り勝った。秋田商は4年連続44回目の全国出場を懸けて、決勝(27日)で明桜高と戦う。

 前回大会ファイナルの再戦は文字通り、「激闘」となった。序盤は、やや重心を後ろに置いてスタートした新屋を秋田商がスピードのある攻守や空中戦の強さも合わせて押し込む展開に。中盤では期待の大型MF原田悠翔(1年)が柔らかいボールキープを見せていた。

 同時にMF小日山涼生(3年)が新屋FW佐々木達樹(3年)をマンマーク気味にケアして、ボールを大事に攻める相手の起点を封じようとした。だが、新屋も注目ボランチ・MF松橋拓磨(3年)がインターセプトから中央突破、シュートへ持ち込み、右SB飯塚颯太(3年)のダイナミックなオーバーラップ、そしてMF内山颯太(2年)がクロスバー直撃の右足FKを放つなど対抗する。

 試合は“衝撃的”な無回転弾で動いた。前半30分、秋田商は敵陣中央からFW長谷川悠(3年)が左足ボレーでロングシュート。練習から放っているという無回転弾がGKの手前で鋭く変化し、そのままゴールネットに突き刺さった。

 インパクト十分の先制ゴール。その余韻が会場に残ったまま迎えた32分、新屋はCB田中智大主将(3年)がドリブルで中央突破を試みる。だが、これを奪い取った秋田商はすぐさまショートカウンター。CB田近奈生(2年)のスルーパスに反応した長谷川が一気に抜け出し、左足で連続ゴールを決めた。

 拮抗した戦いは2つのビッグプレーで2-0に。だが、新屋は巻き返す。個々がしっかりと判断しながらボールを動かすことで、ボールを保持する時間を増加。前半終了間際には相手ボールを奪って右サイドへ展開し、飯塚がカットインから左足シュート。この跳ね返りをMF保坂広太(3年)が身体で押し込んだ。

 さらに新屋は後半3分、田中が無回転FKを枠へ飛ばし、8分には松橋、MF伊藤柊里(2年)と繋いでスルーパスで佐々木が抜け出すが、秋田商はGK山口雄也(2年)中心にピンチを切り抜ける。だが、新屋は直後の右CKに飛び込んだ田中がPKを獲得。これを佐々木が右足で決めて同点に追いついた。
 
 2点ビハインドを跳ね返した新屋はその後も松橋やMF伊藤舜太(3年)を中心にボールを繋ぎながら前進。交代出場のMF島村真行(2年)が右サイドで圧倒的なスピードを見せるなど流れの良い時間帯を続けた。だが、激しい攻防戦となった影響か、後半半ばを過ぎると新屋は足を攣らせる選手が続出。半数以上の選手が足を気にするような状況の中で試合を決めに行ったが、勝ち越すことができない。

 一方の秋田商は苦しい時間帯で右SB高橋海陽(3年)が気迫のオーバーラップを連発。小林克監督も「インターハイで動けず、オレのせいだと。それを取り戻そうとする気持ちの出たプレーでした」と称賛した動きでチームを活性化する。最前線でハードワークを続ける長谷川や鈴木、MF富田蓮史郎(3年)らの運動量、そして昨秋に完成した人工芝グラウンドで「止める・蹴るを速くする。ボールをもらう人が余裕あるように、と口酸っぱく言ってきた」(小林監督)という技術力が秋田商に再び主導権をもたらす。

 2-2で突入した延長前半4分、秋田商は左サイドでボールを持った長谷川が強引にクロス。これにファーサイドから走り込んだ鈴木がヘディングシュートを放つ。二度GKに止められながらも、鈴木が執念のヘディングシュートでゴールに押し込んだ。試合後に自分の力では立ち上がれないほど力を振り絞って戦った主将の勝ち越しゴール。秋田商はその後、珍しく足を攣らせる選手が出ていたものの、DF松野真士(2年)らを中心に相手をゴールに近づけず、3-2で競り勝った。

 秋田商は新人戦準決勝、インターハイ予選準決勝で敗れた新屋にリベンジ。今年、6年ぶりにプリンスリーグ東北に参戦し、6位で残留するなど成長してきた部分を結果で示した。小林監督は「(プリンスリーグは)毎日が選手権決勝みたいな試合になる。負けが続いたら向かっていけなくなる。その中で集中力が身についたと思います」と語り、鈴木も「相手は格上というチームが全部なので、1試合1試合選手権の決勝のような緊張感の中で試合ができて、メンタルの面で一番鍛えられたと思います」と効果を口にする。

 昨年は守備面の強さとセットプレーが印象的だった。まだまだ状況判断の甘さなど課題があることは確かだが、厳しい戦いの中でスピード感や精度、メンタル面を向上させてきた名門が、全国で白星を勝ち取るチームに近づいてきていることも間違いない。その挑戦権獲得まであと1勝。「まだ、何も手にしていない」と強調していた選手たちは先を見るのではなく、まずは決勝で勝つことに集中する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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