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兄が果たせなかった秋田県勢の連敗ストップへ。秋田商CB松野は全国切符掴み、「今年は絶対に勝利」

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秋田商高のCB松野真士は全国での勝利を誓う

[10.25 選手権秋田県予選準決勝 秋田商高 3-2(延長)新屋高 八橋陸]

 兄が成し遂げられなかった「選手権1勝」に弟が挑む。秋田商高のCB松野真士(2年)はストッパーとして先発。新屋高FW佐々木達樹(3年)のマンマークをしていたMF小日山涼生(3年)の負傷交代後はその役割を受け継いで中盤での潰し、最終ラインをカバーする役割を全うした。

 昨年は1年生ながら右SBのレギュラーとして全国を経験している松野は今年、中央のポジションへ転向。「SBからは見れなかったことが、CBでは見れて、責任感を持ったプレーやコーチングを自分がやらないといけないと感じています」と考えが変化する中で課題を改善しながら成長し、現在はDFラインの中心としてチームを支えている。

 兄・MF松野竜士(現富士大)は昨年度までの2年間、秋田商のレギュラーを務めていたが、選手権の全国大会ではいずれも初戦敗退。秋田県の代表校は現在、13年連続で初戦敗退を喫している。1年前、兄とともに全国のピッチに立ち、神村学園高(鹿児島)に0-1で競り負けた試合を経験している松野は、全国で結果を出す選手のプレーを体感した。

 自分たちとの差は「やってきた量だと思います。(決勝点となった現清水MF)高橋大悟さんの振り向き様のシュート。あれはシュート練習を人一倍行ってきたからゴールの感覚とかもあったと思う。ボールを蹴ってきた量や習慣の違いだと思います」と分析する。

 その敗戦を経験し、また意識を高めて先輩たちと1年間に取り組んできた。「兄からも昨日、LINEで『頑張って』と言ってもらいました。兄が3年間で一度も勝てなかった全国大会。自分が勝つことで両親にも恩返しできると思うので、決勝で絶対に勝って全国で勝ちたい。去年は神村学園に負けて3年生が引退していく姿を目の前で見たので、今年は絶対に勝利して、一緒に勝って引退してもらえるように、とにかく勝つための力になれるように、2年生ですけれどもそんなの関係なしにやっていきたい」と力を込めた。

 兄が果たせなかった1勝を果たし、秋田県の歴史を今冬、先輩たちと変える。そのためにも、まずは27日の決勝・明桜高戦で必ず勝利する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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