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20歳DF杉岡大暉が強烈V弾!! 湘南がクラブ史上初のルヴァン杯制覇

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豪快なミドルシュートを突き刺した湘南ベルマーレDF杉岡大暉

[10.27 ルヴァン杯決勝 湘南1-0横浜FM 埼玉]

 JリーグYBCルヴァンカップは27日、埼玉スタジアム2002で決勝戦を行い、初優勝を目指す湘南ベルマーレと2001年以来17年ぶりの戴冠を狙う横浜F・マリノスが対戦した。DF杉岡大暉の豪快なミドルシュートで決勝点を沈め、終盤の守勢を耐え抜いた湘南が1-0で勝利。初制覇の湘南は1994年度に天皇杯を制して以来、24年ぶりの国内タイトルとなった。

 グループステージ、プレーオフステージ、プライムステージで争ってきたルヴァン杯はいよいよ決勝。ともに神奈川県内をホームタウンとする両雄が埼玉の地で相まみえた。湘南はハードワーク、横浜FMはパスワーク、明確なスタイルを志向するチーム同士の対戦に、44242人の観衆がスタンドを埋めた。

 ホーム側の湘南は20日のリーグ前節・札幌戦(△2-2)から先発1人を変更し、MF秋野央樹を起用。元浦和のDF岡本拓也、FW梅崎司が揃ってスタメン入りした。対する横浜FMも20日のリーグ前節・G大阪戦(●1-2)から1人を変更。負傷したMF遠藤渓太がメンバーを外れ、FWユン・イルロクが名を連ねた。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりは激しいプレッシングでボールを奪いにかかる湘南に対し、右サイドのFW仲川輝人を使って個人で打開しにかかる横浜FMという構図。最初の決定機は前半29分、湘南DF山根視来の縦パスをFW山崎凌吾がワンタッチですらし、3人目の動きで反応した梅崎が裏に抜け出た。だが、左足で放ったシュートは惜しくも枠を外れた。

 横浜FMは連続ショートパスで湘南の守備の穴を探すが、マンツーマン気味についてくるマーカーをなかなか剥がせない。優勢が続く湘南は前半34分、岡本のクロスに合わせた山崎のヘッドは枠を外れるも、直後に試合を動かす。同36分、MF石川俊輝のパスがオーバーラップした杉岡に通ると、PA際に切れ込んで左足を一閃。20歳の強烈なミドルシュートがGK飯倉大樹の手をかすめてネットに突き刺さった。

 1点を追う横浜FMは後半スタートから攻勢をかける。2分、左サイドを攻め上がったMF天野純のアーリークロスにFWウーゴ・ヴィエイラが抜け出し、PA右で待っていた仲川にパス。得意のドリブルで湘南ディフェンダーを手玉に取ったが、PA内で倒された場面はファウルを告げるホイッスルが鳴らされなかった。同14分にはMF大津祐樹のミドルシュートがGK秋元陽太の正面を突いた。

 先に動いたのは横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督。後半24分、ユンに代わってMFイッペイ・シノヅカを投入した。同25分、天野の直接FKは湘南の壁に阻まれ、こぼれ球に反応したDFチアゴ・マルチンスのシュートも守備陣に防がれる。同26分にも左サイドからクロス攻勢を試みたが、対人戦で存在感を放っていたDF坂圭祐が立ちはだかった。

 湘南のチョウ・キジェ監督は後半26分、秋野に代わってMF松田天馬を投入。徐々に横浜FMの圧力が増していき、自陣で守勢を強いられる時間帯が続く。同32分には豊富な運動量を見せていた梅崎に代わってMF高山薫を入れた。対する横浜FMは同34分、ここまでルヴァン杯8ゴールで得点ランク首位に立つが、左肘骨折の影響でギプスを装着しているFW伊藤翔を大津に代わって起用した。

 横浜FMは後半34分、左サイドから攻め込んだイッペイ・シノヅカがPA内で倒れたがノーファウル。抗議したMF扇原貴宏に警告が出された。同39分にはDF山中亮輔の強烈なFKがゴールを襲うもわずかに右外。攻め込まれる展開が続いた湘南は同42分、途中出場の松田を下げてMF菊地俊介を入れた。

 それでも横浜FMが敵陣アタッキングサードでボールを動かす形が続く。アディショナルタイムは4分。GKの飯倉もハーフラインを越えたポジションを取り、攻撃的な姿勢を見せて最後の猛攻に期待をかける。だが、湘南の守備陣は決壊せず、そのままタイムアップ。前身の藤和不動産、フジタSC時代から数えて創設50周年を迎え、節目に沸く湘南がルヴァン杯初制覇を果たした。

(取材・文 竹内達也)
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