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“3度目の正直”で日本一!! 湘南の大卒ルーキーDF坂圭祐「まさか決勝で試合に出て…」

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優勝決定の瞬間、喜びを爆発させた湘南ベルマーレDF坂圭祐

[10.27 ルヴァン杯決勝 湘南1-0横浜FM 埼玉]

 高校、大学時代にあと一歩で届かなかった“日本一”をプロ1年目のシーズンで見事につかんだ。3バックの中央で終盤の守勢をしのぎ切った湘南ベルマーレDF坂圭祐は試合後、「試合に出たいと思ってベルマーレを選んで、まさか決勝で試合に出て、優勝することは描いていなかった。努力し続けてきて良かった」と喜びを口にした。

 順天堂大から今季から加入し、Jリーグデビューは3月7日のルヴァン杯グループリーグ第1節の鳥栖戦(○1-0)。シーズン当初はカップ戦で指揮官の信頼を掴み、4月16日のJ1第8節広島戦(●0-2)で待望のリーグ戦デビューを飾ると、その後はJ1昇格初年度を戦うチームの主力を担い続けてきた。

 そんな23歳に早くもタイトル獲得のチャンスが訪れた。「自分は全く緊張しないタイプなので」と平常心で臨んだルヴァン杯決勝の横浜FM戦、シーズン中盤からトライしている3バックの中央を任されると、得意の対人戦で存在感を発揮。「(歓声で)声が聞こえないので身振り手振りで」のラインコントロールも務めた。

 試合の中盤以降は横浜FMの怒涛の攻撃が湘南ゴール前を襲ったが、坂を中心に決死のブロックを連発。「最後は押し込まれる展開が多かったけど、距離感が近かったのでしゃべり合うことができた。最後で身体が張れていたので、事故がなければ……という感じ。PKっぽいシーンもあったけど、そこはラッキーでした」と笑顔に、そして冷静に振り返った。

 決勝戦には苦い思い出があった。2012年、四日市中央工高1年次の高校選手権決勝は市立船橋高に敗れ、16年、順天堂大3年次の総理大臣杯決勝は明治大に敗れ、ともに準優勝に終わっていた。“3度目の正直”でタイトルを勝ち得た背番号20は優勝決定の瞬間にGK秋元陽太と抱き合い、「優勝が初めてなのでうれしかった」と素直な喜びを表現した。

 プロ入り時は「ベテランも若手も関係なく、向上心を持っている」という理由で湘南を選択。「プロに入ってからはポジショニングが課題で入団当初から口酸っぱく言われていた」というチョウ・キジェ監督の薫陶も受け、試合を追うごとに成長を続けている。また、174cmの上背ながら空中戦は大きな持ち味。「普通の相手なら負けない」と述べたように、この日もFWウーゴ・ヴィエイラのポストプレーを完封してみせた。

 ただ、「他の人より性格的に真面目なので」と自己評価する23歳がこの立ち位置に満足するはずがない。「もっともっと良いポジションを取れれば防げる場面がリーグ戦ではあった」と課題を述べると、得意の空中戦でもFW都倉賢やFWジェイの名前を挙げて「ストロングな相手にはまだキツいと感じる」と指摘。「まだまだ練習するしかない」と気を引き締めていた。

(取材・文 竹内達也)
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