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尚志が聖光学院を破って5年連続の決勝へ、U-17日本代表FW染野が決勝弾:福島

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後半33分、尚志高はU-17日本代表FW染野唯月が決勝ゴール

[10.27 選手権福島県予選準決勝 尚志高 2-1 聖光学院高 西部サッカー場]

 第97回全国高校サッカー選手権の福島県予選は、27日に西部サッカー場で準決勝(80分)を行い、第1試合は、5年連続10回目の全国出場を狙う尚志高が2-1で聖光学院高を下して決勝進出を決めた。

 前半に攻めあぐねた尚志は、後半から主力3人を同時に投入して先制したが、カウンターで同点に追いつかれて苦戦。2-1で苦境を乗り切った仲村浩二監督は「前半、警告や負傷も考慮して(途中出場の3人以外に)経験させたかったけど、全然ダメだった。後半も、ファウルをアピールしている間にピンチになっていた。反省しかないけど、聖光さんがうちの弱点をさらけ出してくれたので、もう一度見つめ直す」と先発布陣の機能不全が苦戦の要因であることを認めながらも、相手に隙を見せたイレブンを叱咤した。1週間後の11月3日に同会場で行われる決勝戦では、学法石川高と対戦する。

 主力3人を控えに温存した尚志の先発布陣は、パワー不足だった。相手のプレスを嫌い、誘導されるように単調なロングパスとサイド攻撃に陥り、攻撃が停滞。それでも前半33分にはFW二瓶由嵩(3年)がスルーパスに抜け出したが、聖光学院の守護神、船山光輝(3年)の好守に阻まれた。

 後半に入ると、ボランチに技術と機動力を併せ持つMF坂下健将、右MFに高速ドリブラーの加瀬直輝(ともに3年)、前線にU-17日本代表FW染野唯月(2年)の3人を同時に投入してペースアップ。坂下が中央でパスワークを加速させながら隙を見てドリブルを仕掛けたことで相手守備網にひびが入った。

 後半4分、坂下が相手のファウルを誘い、左DF沼田皇海(3年)が得意の左足で直接FKを決めて先制した。沼田は「チームの流れが悪かったし、セットプレーは大事にしている。あの場面でチームを救えて良かった」と安堵の表情で振り返った。前半の苦戦も、後半の立て直しも想定内だったと言える。先制したことで攻撃のリズムが改善し、追加点は時間の問題と思われた。

 しかし、聖光学院は、徹底的したカウンターで応戦。攻撃の回数は少なかったが、強引にシュートまで持ち込むアタックで気迫を見せた。そして後半25分、途中出場したFW須藤祐斗(3年)が、縦パスのこぼれ球に反応して抜け出しに成功。相手GKに弾かれながらもゴールにねじ込み、同点とした。

 にわかに勝敗の行方が分からなくなったが、尚志は、ペースを譲ることなくセットプレーやコンビネーションアタックで再び猛攻。そして後半33分、染野が右に流れてFW伊藤綾汰(3年)のスルーパスに抜け出すと「短い時間で、柔らかいタッチで打つループしかないとイメージして、体を上手くひねりながらコースを見つけてシュートできた」と逆サイドへ小さく浮かす技ありのループシュートで決勝点を奪った。

 聖光学院は、終盤にFW前川龍之助(2年)が執念の抜け出しから豪快ミドルで襲いかかりるなど最後まで奮闘。一歩及ばなかったが、山田喜行監督は「120%の戦いをしてくれた。王者・尚志を年間で一番苦しめた」と善戦した選手をねぎらった。一方、苦しみながらも勝った尚志の主将、大川健(3年)は「不甲斐ない試合。100人以上の部員の思いを背負うのだから、試合に出る選手は、もっと責任を持たないといけない」と次戦へ気を引き締め直していた。決勝では「強い尚志」を見せつけられるか、注目だ。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2018

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