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[MOM2655]金沢学院DF上村一太(2年)_主将が“エース封じ”、無失点での勝ち上がり支える守備の要

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無失点での勝ち上がりを支えるDF上村一太(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.27 選手権石川県予選準決勝 金沢学院高 1-0鵬学園高 金沢市民サッカー場]

 インターハイ予選でベスト4まで進んだものの、金沢学院高の下馬評は決して高くなかった。ここまでトーナメントで戦ってきた相手は全て格上ばかり。延長戦の末での勝利となった3回戦の小松大谷高戦を筆頭に楽な試合は一つもない。それでも、粘り強く勝ち上がれている要因は、無失点を続ける鉄壁の守備。その中心にいるのが、2年生ながらも主将を務めるDF上村一太だ。

 初の決勝行きがかかった一戦で、上村に与えられたミッションは鵬学園高のエースであるFW坂本健太(2年)封じ。「常に9番(坂本健)のポジションを見ておき、ボールが入ったらとにかく潰して、自由にさせないことを徹底してやりました」と振り返るように、冷静さと激しさを備えた守りで一瞬の隙も与えず、シュートをわずか1本に抑えた。活躍はエース封じだけに収まらず、「ボランチが上下に走ってセカンドボールを狙ってくれていたので、どこにこぼれてくるか予測しやすかった」とゴール前にこぼれたボールも確実に拾っていく。

 試合終盤には右サイドを崩され、クロスを上げられる回数も増えたが、中での競り合いで一歩も引かず、「絶対にゴールに向かってくるので、そこを弾けば大丈夫だと思っていた」。後半終了間際に決勝点が生まれたのも、守備がきっちりと無失点に抑えることができたから。試合後の上村は「自分たちは無失点で頑張るのが第一目標。この試合もそれが守れた結果が勝ちに繋がった」と笑顔を見せた。

 決勝で対戦する星稜高は、上村が対戦を待ちわびた相手だ。練習会に参加した際に、北一真監督に「ここでやってみないか?」と声をかけられ、以降はクラブチームの練習に足を運ぶなど熱心な勧誘を受け、金沢学院を選んだ。だが、もう一つ理由がある。それは「星稜を倒したかった。星稜は石川県で1強という感じだったので、自分たちがそれを無くして、1強と言われるチームになりたいと思った」からだ。

 初めて打倒・星稜を目指したインターハイ予選の準決勝では、0-3で完敗。「星稜に自由にされて、何もできなかった」が夏を乗り越え、チームとしても個人としても確かな成長を感じている。「今なら勢いもありますし、無失点を続けることができれば勝てると思う」と意気込むように、ここまでの良い流れを継続し、絶対王者の撃破を狙う。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2018

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