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春から整備した自慢の守備で1点を守り切り、大会無失点!羽黒が山形連覇達成!

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山形制覇を果たした羽黒高イレブン

[10.27 選手権山形県予選決勝 羽黒高1-0東海大山形高 NDスタ]

 第97回全国高校サッカー選手権の山形県予選は27日、NDソフトスタジアム山形にて決勝が行われ、羽黒高東海大山形高が対戦。序盤に挙げた得点を守り切り、1-0で勝利した羽黒が2年連続7回目の全国出場を決めた。

 立ち上がり、勢い良く試合に入ったのは羽黒。相手陣内深くで激しいプレスをかけて果敢にゴールを目指した。そして前半9分、ゴール正面でプレスをかけてボールを奪ったのはトップ下のMF嵯峨野凱(3年)。「ボランチの2人もプレスをかけてくれていて、左に(本間)夏空斗がいたので」と、左MF本間夏空斗(3年)にパス。「凱は一番チームで仲が良いので、自分がどういうボールが欲しいかは分かっています」と最高のタイミングで来たボールに対し、左足を振り抜いた。このシュートがゴール右隅に突き刺さり、羽黒が先制。「県高校総体では4点決めていたが、今大会はゴールを決めなければと焦っていた」という本間は今大会初ゴールを決勝の大舞台で決めた。

 その後も羽黒が東海大山形陣内に攻め込む展開が続いたが、徐々に東海大山形は相手のサイド攻撃に対し、うまくスライドして対応できるようになった。DF塚田悠也(3年)とDF曽根田京平(2年)のセンターバックコンビも落ち着いた対応を見せるようになると、徐々に羽黒は攻めあぐみ始める。

「相手が粘って守備をした後、ボールが相手の2トップにおさまって、押し上げられなくなった」と羽黒の本街直樹監督が語った通り、次第に東海大山形ペースとなっていく。東海大山形は24分、27分、31分と立て続けにFW佐藤友莉(3年)がシュートチャンスをつくったが、羽黒はGK小玉太一(3年)の好セーブもありゴールを許さず、前半を1-0で終えた。

 後半も東海大山形が攻め込む時間帯が続いたが、羽黒のDF星野竜弥主将(3年)は「DFライン、中盤がバランスを崩さずにプレーすることを突き詰めてやってきました」と自信を持った守備対応を見せ、次第に東海大山形は体力的に厳しくなり、足をつる選手が続出した。

「相手は足をつっていたので、ひたすら走ることを考えました」と語る嵯峨野も攻撃だけでなく守備でもハードワークし、時には自陣に戻って守備をした。最後まで足を止めずに集中力を切らさなかった羽黒がそのまま試合を1-0で終え、県高校総体に続き、大会無失点での優勝を決めた。

 県高校総体に続き、選手権県予選でも大会無失点を達成できたのは、前回の選手権全国大会での苦い思い出があるからだ。初戦で大阪桐蔭高に0-6と完敗。「春から守備を整備してきた成果が出ました。6点取られた屈辱は全国に出て晴らすしかありません」と本街監督は悔しさをバネに守備を強化してきた。「全国を戦う上では守備をベースにして全体を連動させないといけない」とキャプテンの星野もそれに応え、守備の安定に貢献した。

「全国でずっと勝っていませんので、一つは勝ちたいですね。ボールを回すだけではなく、崩しの部分や縦パスが入った時の周りの関わりを良くしないと、今日の東海大山形さんのように守り切られてしまいます。攻撃から守備への切り替えや球際の強さも突き詰めたい」と全国大会での勝利に向けて意気込む本街監督。エース嵯峨野を中心とするパスワークによる攻撃と堅守を武器に、鳴門高にPK勝ちした06年度以来の全国1勝を目指す。
   
(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2018

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