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[MOM2656]羽黒MF嵯峨野凱(3年)_守備を改善し、チームのエースへ成長

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羽黒高の10番MF嵯峨野凱は好守から決勝点をアシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.27 選手権山形県予選決勝 羽黒高1-0東海大山形高 NDスタ]

「先制点は嵯峨野の守備から生まれた得点」。羽黒高の本街直樹監督は先制点をアシストしたMF嵯峨野凱(3年)について、アシストとなったパスではなく、その前段階の守備を讃えた。相手選手から力強くボールを奪うプレーが先制ゴールの起点となった。

 精度の高い長短のパスを武器に、昨年も主力として活躍していた嵯峨野だったが、「今までは守備で抜けるところが見られた」と本街監督は振り返る。しかし、前回の選手権で大阪桐蔭高に0-6で敗れ、意識が変わった。

「悔しくて情けなかった」と嵯峨野は失点を重ねた悪夢のような試合を振り返る。「春先から守備を徹底してやって来たので、ファーストディフェンダーとして強く行く意識を持ち、強くプレスに行って、球際も強くすることを意識しました」とまずは良い守備から入ることを考えた。「ここまで大会無失点でやって来たので、粘り強さはありますから、どれだけ耐えられるかという試合でした」と守備への意識を忘れなかった。

 神奈川県川崎市のFC川崎チャンプジュニアユースでプレー後、山形県鶴岡市の羽黒へ入学。「羽黒に来て、寮生活をすることで自立できていると思いますし、何よりチームということを思い知らされました。チームを鼓舞する声を出せるようになり、自分を変えてくれました」と羽黒サッカー部への感謝を忘れない。過去は攻撃だけに意識が向いていたが、チームのために時には自陣に戻っての泥臭い守備もいとわない選手へと成長できた。

「今日は1-0で勝てたが、攻撃の部分をうまく出せませんでした。守備をやりつつ攻撃もやっていくことを突き詰めたい」と全国大会に向けて課題を語る嵯峨野。守備でのハードワークを失わず、アシストだけでなくチームを救うゴールを決められる選手へさらに成長できれば、羽黒を全国大会での勝利に導けるはずだ。

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2018

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