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[MOM2657]都市大塩尻MF清水夢希(3年)_憧れは「マジで格好いい」先輩コーチ、大黒柱が逆転勝利へ導く

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後半2分、都市大塩尻高MF清水夢希主将が同点ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.27 選手権長野県予選準決勝 松商学園高 1-2 都市大塩尻高 アルウィン]

 都市大塩尻高の高橋裕之監督が「ウチの大黒柱。安定して力を出せる」と評するMF清水夢希主将(3年)が、同点ヘッドと決勝アシストで逆転勝利に貢献した。

 0-1で折り返した前半は「(応援してくれる仲間の前で)フザケたプレーをしてしまった」と猛省。本人は否定していたが、ハーフタイムにはチームメートたちから「泣いていた」と指摘されるほど、思いが昂ぶっていた。

 そのMFが後半2分にゴールでチームを勢いづける。10番MF金子恭介(3年)の右CKに、相手のマークを外して飛び込み、同点ヘッド。「相当嬉しかったです」というMFは勢い余ってゴールラインの内側にまで入ると、そこでボールを拾い上げ、ガッツポーズしながらベンチの仲間、コーチ陣の下へ飛び込んだ。

 さらに、後半22分にはカウンターから決勝点を演出する。金子が中盤中央で前を向くと、左サイドから全力でスプリント。そしてボールを受けると、縦へ持ち出してからラストパス。これをゴール前まで走り抜けた金子が、右足で押し込んで決勝点となった。

 ボールが出て来ると信じて走った。「(後半20分過ぎで)キツイんですけれども、金子が動いていたので自分も出ると思った。(金子とは)ずっと小学校のちょっとと、中高一緒なので、見なくても分かるんで、そういうところも良かったです」。小学生時代にトレセン活動で一緒になり、長野パルセイロU-15からチームメート。分かりあえている金子と2ゴールをもたらした。

 金子は清水について、「凄い信頼しています。凄い好きですし、厳しいこと言ってくれるし、日本で一番上手いと思っている。パス、守備、コーチング全てできて、初めて勝てないと思って認めた選手です」とコメント。それに対して清水は「そんなこと言われたのは初めて。嬉しいです」と照れ笑いしていた。

 1ゴール1アシストの活躍はもちろんだが、後半、清水のプレーでそれ以上に光ったのが守備面だ。誰よりもボールへの執着心を見せて味方にボールを繋ぎ、チームに主導権をもたらしていた。本人は得意のキックでよりチャンスメークしたいようだが、苦しい時に背中でチームを引っ張る姿が最も印象的だった。

 憧れはOBでもある小松憲太コーチ。松本山雅FCやタイでもプレーした元Jリーガーは「あの人、マジで格好いい。あの人のようになりたい」という存在で、「(その姿になるためには)まだ全然足りないので、もっと謙虚に努力してチームのためにできるようにしたいです」と意気込んでいる。
 
 全国出場を決めて都市大塩尻でトレーニングする日々を増やし、憧れの存在に近づくことができるか。「全国でどうとかよりも次。次の決勝だけはどうしても勝ちたい」という主将がその技術面だけでなく、戦う姿勢とハードワークでチームを牽引し、優勝を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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