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「もっとうまくなりたい」。ハットトリックのブラサカ日本代表・黒田が直接”取材”した相手は……

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積極果敢にシュートを打ちにいく黒田智成(右)

[10.27 ブラサカ東日本5節 たまハッサーズ 3-0 松戸・乃木坂ユナイテッド 東京・品川]

 前半だけで3得点の固め打ち。11月4日のアルゼンチン戦前最後の実戦でたまハッサーズを首位浮上に導いても、日本代表・黒田智成が浮かれることはなかった。

「最初のゴールは自分の中でもテクニカルだったと思いますし、最近よく練習でやっている形を出せました。でも僕だけでなく、ほかの選手も点が取れるというのが理想です」

 後半は同じく日本代表の田中章仁日向賢がゴールできるよう、アシスト役に回った。2人は再三シュートを試みたが、ネットは揺らせず。黒田は自分のシュートが決まったこと以上に、他の選手がゴールできなかったことを残念がった。

「もっともっとうまくなりたい、という気持ちがなくなったら、やれないと思う」。

 9日に40歳になっても湧き出る情熱は、世界ランク1位のブラジル、同2位のアルゼンチンと戦った8月の南米遠征でも、ある行動として現れた。日本代表は4試合のうち、2試合を完封できたが、1点もとれず。悔しい思いをした黒田はブラジルとの試合を終えた後、ブラジル代表監督のもとへ”直撃取材”。「シュートを決められるようにするにはどうすればいいですか」と直接質問をぶつけていた。

「通訳をロベルト(佐々木ロベルト泉)にお願いしました。せっかくブラジルまで行きましたし、しかも公式戦の後だとなかなか聞けるものではない。今回は親善試合だったので聞きやすい雰囲気でした」

 自分が勝負に行くべきところと周囲を使ったほうがいい場面のメリハリの大切さを授かった黒田は、帰国後、仕事の後の個人練習でそのイメージを体の中にしみ込ませることにつとめている。 
 
 「あとは試合の中でどう出せるか。そうすればプレーの幅も広がると思います。アルゼンチンは、ライバルのブラジルに点を取らせないような組織的な守備を敷いてくるのでプレッシャーが強い。でも勝ちたいですね」

 直撃取材の成果を発揮する舞台が、いよいよ近づいてきている。

(取材・文 林健太郎)

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