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[MOM2659]丸岡FW田海寧生(2年)_夏は怪我で出番なし…3年ぶり全国狙う丸岡の“キーマン”が2戦連続ハット

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2試合連続でハットトリックを記録したFW田海寧生(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.28 選手権福井県予選準々決勝 丸岡高 10-0武生工高 丸岡スポーツランド]

 空中戦と接触に強く、スペースへの飛び出しも上手い。ボールが入れば得点の臭いを感じさせるのが、丸岡高のFW田海寧生(2年)だ。

 大会初戦となった前日の敦賀工高戦でハットトリックを達成し、勢い十分で挑んだこの日も、田海は止まらない。「昨日の試合は入りが悪かったので、今日は最初から思い切り行こうと話していた」と振り返る通り、試合開始と共にエンジン全開で武生工高のゴールに迫ると、前半4分には右CKを頭で合わせ、均衡を崩した。チームの勢いづける先制点は得意ではないと話すヘディング弾。田海は「昨日からヘディングが当たっていたので今日も行けるかなと思って飛び込んだら、ちょうど僕の所にボールが来た」と笑顔を見せた。

 続く前半16分にはMF宮永任(3年)のスルーパスから、DFの間を抜け出してゴール前に進出。「パスが良かったので、トラップをして決めるだけだった」と落ち着いて、GKとの1対1を制し、武生工を引き離した。40分には左サイドから上がったボールを思い切りよく頭で叩き込み、ハットトリックを達成。田海は後半途中でお役御免となった。

 2試合で6得点を奪う田海の存在は、3年ぶりの選手権出場を狙う丸岡にとって大きな鍵だ。1年目から出場機会を掴み、今年はエースとしての活躍が期待されていたが、インターハイ予選では大会直前の遠征で相手と接触し、左鎖骨を骨折。1試合も出場できず、チームも予選決勝で涙を飲んだ。

 インターハイ予選を終えた直後からは戦列に復帰。「大学生とやってもボールを受けられたり、身体も強いので、何とか物にしなければいけない」。そう指揮官が評する彼の存在はチームにとっても大きく、前線でボールがおさまるため、2列目の持ち味もこれまで以上に発揮しやすくなった。「インターハイは迷惑をかけたので、選手権はチームのために何としてでも点を獲ってやろうと思っている」と意気込むように、貪欲にゴールに向かう姿勢もチームにプラスの影響を及ぼしている。

 昨年のインターハイでは後半途中からピッチに立ち、初めての全国大会を経験したが、阪南大高(大阪)の堅い守りに苦しみ、シュートを打たせてもらえなかった。「何もできなかった昨年と比べて成長したかなと思うので、どこまでやれるかもう一回、全国でやってみたい」。目標を叶えるため、残り2試合でも自らのゴールで勝利を手繰り寄せるつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2018

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