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復活Vへの道歩む帝京が難敵・堀越突破、課題反省して準決勝へ:東京B

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前半23分、帝京高FW佐々木大貴が先制ゴール

[10.28 選手権東京都Bブロック予選準々決勝 堀越高 1-2 帝京高 実践学園高尾G]

 復活Vへの道歩む帝京が難敵突破! 第97回全国高校サッカー選手権東京都Bブロック予選準々決勝が28日に行われ、堀越高帝京高戦は帝京が2-1で勝利。帝京は11月11日の準決勝で東京朝鮮高と戦う。

 8年ぶりの全国出場を狙う“カナリア軍団”帝京が難敵を突破して4年連続となる準決勝進出を決めた。ただし、日比威監督は「反省しなければいけない。同じことを繰り返してはいけない」。ゴール前で決定機を活かせずに自分たちでリズムを崩し、試合終盤にミスも絡んで失点。首位を走る都1部リーグ同様に自分たちで試合を難しくしてしまうところがある悪グセが出た。加えて、主力選手の不要な警告も。選手たちは勝利を喜ぶ一方、改善しなければならない部分を再確認して準々決勝を終えた。

 堀越は2回戦で前回優勝校・実践学園高を沈めて勝ち上がってきていた好チーム。MF古澤柊磨(3年)がオープニングシュートを枠に飛ばしたほか、スピード豊かな古澤とFW三根碧斗(3年)、推進力のある右SB魚崎由暉(2年)を中心としたカウンター攻撃は強烈だった。だが、帝京は粘り強い守りから攻撃に移ろうとする堀越を押し込んでゴール前のシーンを連発。8分に個で左サイドのスペースを突いたMF三浦颯太(3年)の折返しをMF入澤大(3年)が狙い、13分にも左SB石井隼太(2年)の突破から復活したFW赤井裕貴主将(3年)がヘディングシュートを狙うなど堀越を攻め立てる。

 堀越の攻撃をCB梅木遼(3年)のカバーリングなどで凌いで迎えた23分、帝京は左SB石井のラストパスをエースFW佐々木大貴(3年)が右足でゴールへ押し込んで先制点。だが2点目のチャンスを作りながらも、強引に放ったシュートを堀越GK宮崎拓真(3年)に止められてしまったほか、三浦のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど追加点を奪うことができない。

 堀越は後半11分、敵陣でのインターセプトから最後はFW水野洸(3年)がフィニッシュ。その後もセットプレーからシュートシーンを作った。流れの悪い時間帯が続いた帝京だが、25分に石井の右FKから三浦がヘディングシュートを決めて2点差。それでも、帝京・日比監督が「一人ひとりがやるべきことをやってきていた」と評した堀越は諦めずに攻め続ける。

 そして38分、帝京の判断ミスから連続攻撃すると、水野のクロスをCB青木翔主将(3年)が左足で決めて1点差とした。帝京は逃げ切って勝利するという第1目標は果たしたが、同時に2週間後の準決勝へ向けた引き締めの試合にもなった。

 周囲から“浮く”ことも覚悟の上で厳しくチームメートに指摘していた三浦は「チームで『100パーセント』を選べと練習でもやっている。『もっと落ち着け』と言いました。Tリーグ(都1部リーグ)でも追加点が獲れない。勝っているけれども1点差ゲームが多い。それが出てしまった」。半月前に行ったインターハイ王者・山梨学院高との練習試合で自信をつけ、また指揮官が「一人ひとりの責任感が春先よりも出てきている」という帝京だが、自分たちで隙をなくさなければ激戦区・東京を突破することはできない。1年時から期待されてきた注目世代は、「懸けてきた」選手権で全国出場を果たすために、課題を見つめ直し、一戦必勝の姿勢で次の戦いに挑む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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