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“東京屈指のCB”駒澤大高DF齋藤、旧友たちとの「絶対に負けたくない」戦い制す

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勝利を喜ぶ駒澤大高DF齋藤我空

[10.28 選手権東京都Bブロック予選準々決勝 駒澤大高 2-1 國學院久我山高 実践学園高尾G]

 東京屈指のCB、駒澤大高DF齋藤我空主将(3年)は試合終了の笛が鳴ると、笑顔で飛び跳ねながら応援席へ。そしてクールダウン後、開口一番に「めちゃめちゃ嬉しいです」と語り、控え部員たちと勝ち取った「全員の勝利」を強調していた。

 入学直後から主軸のCBは優勝した16年関東大会で優秀選手に選出され、同年度の選手権では全国8強。誰よりも多くの経験を積んできたDFにとってこの國學院久我山高戦は、チームとしてはもちろん、個人としても絶対に負けたくない試合だった。

「自分たち、(今年は)関東大会もインターハイも結果が出ていなくて、自分も1年の時にいい経験をさせてもらったんですけれども、このチームでは何も成し遂げていない。絶対に(準決勝の行われる)西が丘に行きたかったですし、個人的には(國學院久我山高には)国体の仲間が3人いたので、絶対に負けたくないというか、自分個人としても絶対に勝ちたかった」

 齋藤は1年時の国体で、國學院久我山の左SB竹浪良威主将とMF高橋黎、そしてFW宮本稜大(すべて3年)とともに全国4位。相手エースの宮本とはマッチアップする形となったが、彼が抜け出そうとした瞬間に齋藤が距離を縮めてカットするなど決定的な仕事をさせなかった。

「動き出しが本当に上手いんでアイツ(宮本)は。80分間ずっと集中しなければ剥がされていたと思うんですけれども、応援のためにとか、支えてくださった人のためにとか考えたら、一瞬も気を抜けないなと思ったのでそこが集中できた要因かなと思います」

 加えて、「調子が良かった」というヘッドで再三相手のフィードを跳ね返し、スピードを活かしてスペースを広範囲にカバー。自身の思いも込めて戦い、勝利を大喜びした齋藤だが、すぐに次の戦いへ目を向けていた。「ここで終わりじゃないので、次勝って、(決勝戦が行われる)駒陸(駒沢陸上競技場)へ行って、駒陸でも勝って全国に行きたいと思っています」。2年前、先輩に経験をさせてもらった全国。今度は大黒柱となった自分が後輩たちに貴重な経験をする機会をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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