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[アルゼンチン戦まであと3日]ブラサカ日本代表GK榎本「五輪でメダルをとるためにも倒す」

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GK榎本達也は、スローイングの練習を繰り返した

 ブラインドサッカー日本代表がアルゼンチン代表戦(11月4日)に備えて1日、始動した。日本代表に復帰した元JリーガーのGK榎本達也は長短織り交ぜたスローインを繰り返し、ボールの感触を確かめた。

「アルゼンチンは組織としてしっかりとしていて穴がない。それでもその中で点をとらないといけない。(2年後の)オリンピックでメダルをとるには倒さなければいけない相手だと思います」

 10月13、14日の代表合宿に招集され、その時に久しぶりにシュートを受ける練習に励んだ。普段はFC東京で子供たちを教え、合間に明大サッカー部のコーチも担う。今回のブラサカもあわせると「3足のわらじ」になる。10月の合宿後、仕事の都合もあり、シュートを受ける練習は1度もできなかった。現状、仕事の合間に筋トレやブラサカの映像などを見て、イメージを膨らませるのが精いっぱいだ。

「ただイメージができても、実際にボールを受けて球のスピードやタイミングを体感しないとわからないことがある。たとえば、野球で映像でスライダーの球筋を見て、打席に立ったら打てるかといったら打てないと思うんです。僕自身ブラインドサッカーを本格的にはじめて1年足らずで経験も少ないし、ぶっつけ本番になることを言い訳にしても仕方がないことです」

 過去4戦して勝ったことがない難敵から歴史的勝利を奪いたい。その機運が高まる中で、榎本は2年後も見据えている。

「東京五輪パラリンピックに対して、アンテナは張っています。時間のない中かで自分のやるべきことを冷静にみつめてどう取り組むか。1回を大事にしたいし、たとえシュート1本しか来なくてもその中から感じられるものを多くしたい」

 生活を賭けて20年間生き抜いたプロ魂を胸に、榎本は日本の最後の砦になる。

(取材・文 林健太郎)

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