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初の全国選手権に王手!! 呉西の思いも背負う高岡一、V3王者・富山一との決勝へ:富山

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3点目を決めて喜ぶ高岡一高FW杉野智也(3年)

[11.3 高校選手権富山県準決勝 富山工高0-3高岡一高 小矢部市陸上競技場]

 第97回全国高校サッカー選手権富山県大会は3日、小矢部市陸上競技場で準決勝を行った。第2試合では22年ぶり5回目の全国出場を狙う富山工高と悲願の初出場を目指す高岡一高が対戦。前半に3点を奪った高岡一が後半の守勢を耐え抜き、3連覇王者富山一高との決勝戦(10日・富山県総)進出を決めた。

 キックオフから勢いよく攻め込んだ高岡一が早々に試合を動かした。起点となったのは「流れをつかむ上で大事」(松浦朗夫監督)と位置付け、練習から注力していたセットプレー。前半1分、左CKをMF大矢達輝(3年)が力強く蹴り込むと、ゴール前で密集していた選手たちが一気に離散し、マークを外したDF大矢隼登(3年)がヘッドで叩き込んだ。

 その後も高岡一が主導権を握り続ける。大矢達の精度の高い右足キックが何度も富山工ゴール前に供給され、前半14分にはミドルシュートでGK松澤悟生(2年)を強襲。すると同18分、大矢達が左CKをファーサイドに送り込むと、FW稲垣隼(2年)の折り返しにMF山本優太(1年)が合わせ、リードを2点に広げた。

 さらに前半28分、中盤低めでボールを拾ったDF加藤央彬(2年)のロングボールが左サイド裏に送られ、ここで抜け出したのはFW杉野智也(3年)。鋭いターンで中央に切り返し、3-0とするゴールをポスト左際に叩き込んだ。富山工は前半終了間際、右サイドのカウンターからFW杉瀬輝(3年)がつなぎ、オーバーラップしてきたDF村椿月都(3年)がダイレクトで狙ったが、左ポストに直撃した。

 高岡一の3点リードで迎えた後半は展開が一変した。「集中が切れたら怖いという話をしていて、そこで富山工さんもガッときた」(松浦監督)。勢いを強めた富山工は後半7分、杉瀬の縦パスから途中出場のFW大林昇(3年)が左足で狙うも、GK宮嶋廉(3年)がセーブ。続く時間帯もトップ下気味にポジションを取ったFW柄戸勇太(3年)がボールを引き出し、攻撃を活性化させていった。

 リスクを負って人数をかけて攻める富山工に対し、高岡一はカウンターで追加点を狙う。キーマンとなったのは後半11分からピッチに立ったMF八丁亮太(3年)。右サイドのフリーのスペースを何度も切り裂き、危険なクロスを中央に送り込むと、FW木口フェリペ(3年)の決定的なシュートも呼び込んだ。

 富山工は後半31分、相手の決定的なシュートをDF真木淳宏(3年)がゴールライン付近でクリアして難を逃れると、鋭い縦パスを次々に通して1点を狙う。だが、終盤はカウンターを受けつつ時間を使われ、攻めあぐねるシーンが続いたままタイムアップ。高岡一が2014年度大会以来、4年ぶりの決勝進出を決めた。

 松浦監督は試合後、劣勢となった後半について「もうちょっと幅を使った攻撃をしたかった」と振り返った。3点リードを保持したものの、終盤は足が止まって攻撃が停滞。「緊張が切れたところで奪い切れず、そのぶん走らないといけなくなった」と反省点を指摘しつつ、「最近は失点が続いていたので、ゼロでいけたのは良かった」と守備面の良化を前向きに捉えた。

 決勝の相手は3連覇中の富山一。「プレミアリーグで戦っているので、駆け引きはさらに高いレベル」とリスペクトは隠さず、「自分たちも決勝に向けて残しているところがある」と秘策も示唆。「負けず嫌いなヤツが多いし、怯んだりすることはない。むしろ、みんなやってやろうと思っている」と選手たちを信じ、初めての“冬の全国”をかけて戦う大一番を見据えた。

 なお、高岡一が県選手権制覇を果たせば、同高史上初の偉業というだけでなく、呉西勢としては1994年度の伏木高以来24年ぶりという快挙となる。「ずっと呉東のチームが全国に出ていて、富山一高はプレミアリーグにも行っている。そこで呉西のチームが全国に行ったらきっと盛り上がると思う」と述べたのは隣町・砺波市育ちの大矢達。1週間後に控える頂上決戦では地域の思いもぶつける構えだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2018

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