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例年以上に厳しいマーク…プリンス関東首位の矢板中央が苦しい戦い乗り越えて栃木決勝へ

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CB白井陽貴主将がスライディングシュートを試みるなど矢板中央高はシュート22本を放ったが、1得点。苦戦の末の決勝進出となった

[11.3 選手権栃木県予選準決勝 矢板中央高 1-0 宇都宮短大附高 栃木グ]

「これまでも県内ではマークをされてきましたが、今年は特に厳しいと感じますね」と高橋健二監督が語ったように、矢板中央高は栃木ナンバーワンの実力チームとして、毎年のように県予選では厳しいマークを受けてきた。だが、今年はその様相が少し違っていた。

 それは今年から参戦したプリンスリーグ関東において、第15節終了時点(1試合未消化)で9勝5分の無敗街道をひた走り、消化試合の1試合少ない2位・前橋育英高との勝ち点差7。あと1勝で優勝が決まるほどの圧倒的な力を見せつけている。

「チームとしても去年の選手権ベスト4メンバーが途中出場を含めて9人残っていて、力のあるチームだと思っていましたが、これがプリンスの結果で、周りの評価が一気に上がった。その中で迎えた選手権予選とあって、初戦こそ大勝しましたが、準々決勝の栃木高戦で前半0-0(後半で2-0)という苦しい展開となった。なんとか勝ちましたが、改めて難しさを感じました」(高橋監督)。

 宇都宮短大附高との準決勝でも難しさを感じることになった。ゲームは立ち上がりから圧倒的な矢板中央ペース。前線のFW大塚尋斗(3年)をターゲットに、FW飯島翼(3年)、伊藤恵亮(3年)と木村泰晟(3年)の両サイドハーフが湧き出て来る攻撃で、宇都宮短大附を押し込むと19分、右サイドを破った伊藤の折り返しを、大塚がヘッドで叩き込んだ。

 幸先良く先制をした矢板中央だったが、この後が続かなかった。精度の高いロングボールとセカンドボールを拾ってからのポゼッションと、今年のチームのストロングポイントは出せていたが、GK雨宮由和(3年)、CB佐藤優悟(3年)を中心とした宇都宮短大附の守備陣を切り崩せない。

 後半5分に交代出場のMF板橋幸大(3年)の折り返しをCB白井陽貴(3年)がスライディングシュート。これをGK雨宮に足でブロックされると、跳ね返りを再び白井がオーバーヘッドで狙うが、バーに弾かれた。15分には、白井の縦パスを受けた板橋がカットインから強烈シュートを放つが、これも左ポストを叩いた。

 矢板中央は合計22本ものシュートを浴びせたが、宇都宮短大附の粘りの守備に苦しみ、ゴールを割ったのは僅か1。1-0の勝利で決勝進出は決めたが、準々決勝に引き続き、苦しい戦いとなった。

「今年は全国優勝をしないといけない代だと思っています。だからこそ、結果を残さないといけない。周りのマークは厳しくなっていることは感じますが、他の県のプリンス出場チームを見ても、やっぱり予選では苦しんでいるので、僕らは自分達の力をきちんと出し切って、まずは選手権に出たいと思います」。

 キャプテンの白井が力強く語ったように、強烈なプレッシャーをしっかりと受け入れ、着実に勝ち上がって来た。だからこそ、決勝でも変わらぬ姿勢で結果を掴み獲るべく、“最強軍団”は決勝に向けて、その兜の緒を締めた。

(取材・文 安藤隆人)
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