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「リベンジをしたい」。佐野日大が4-0で栃木準決勝突破、宿敵・矢板中央との決勝へ

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FW小松虎太郎(11番)のゴールなど、佐野日大高は4得点を奪って快勝した

[11.3 選手権栃木県予選準決勝 足利大附高 0-4 佐野日大高 栃木グ]

 攻守の中心がきっちり仕事をこなす形で、佐野日大高が矢板中央高の待つ栃木県予選決勝戦へと駒を進めた。

 佐野日大の守備は川又大昌(2年)、大塚健斗(3年)、山本龍雅(3年)の3バックが中心となり、攻撃はターゲットマンのFW山田大樹(3年)、細谷洸太(3年)と小松虎太郎(3年)の2シャドーが中心となる。この前後ろに位置する3枚が、それぞれ持ち味を存分に発揮した。

 前半立ち上がりから山田が前線でボールを収めると、細谷の卓越した個人技と、小松の前への推進力が噛み合わさって、足利大附高を押し込んだ。12分、右サイドでスローインを得ると、右ウィングバックの溝口寛人(3年)がロングスローを送り込む。ニアで大塚がヘッドで繋いだボールを、細谷がオーバーヘッドシュート。これが決まり、佐野日大が先制に成功した。

 その後も18分に細谷のキープから左ウィングバックの岡本海(3年)のクロスを山田が頭で狙い、20分にはこぼれ球をボランチの廣瀬龍弥(3年)が強烈ミドルシュート。さらに攻め手を強める佐野日大は、28分に細谷の縦パスを受けた小松がカットインからシュートするが、これは左ポストを叩いた。佐野日大は35分にも細谷のドリブルのこぼれを岡本がループシュート。バーを叩いたこぼれを溝口がヘッドで狙うが、枠を逸れた。

 決定機をモノに出来ない流れだったが、ここで佐野日大の3バックを中心にした守備陣は焦れること無く、高い集中力を保ち続けた。MF川島悠(3年)を軸にした足利大附の高速カウンターに対し、ロングボールを長身CB大塚が弾くと、川又と山本が的確なカバーリングを見せ、ゴールを割らせなかった。

 後半に入ると、ようやく守備陣の奮闘に攻撃陣が応える。6分に山田が左CKからの混戦を押し込んで2点目を挙げると、直後の8分には右サイドを細谷がドリブルで崩してシュート。このこぼれ球を小松が押し込んで、試合を決定付ける3点目を奪った。

 前に出るしか無くなった足利大附は、よりリスクを負って攻勢に出て来た。佐野日大は最後まで落ち着いた守備を展開する。35分には左サイドの展開から川島がシュートを放つが、これは佐野日大GK関海斗(3年)ががっちりキャッチ。さらに38分にはCBからFWにポジションを上げて来た寒澤颯がPA内で強烈なシュートを放つも、これは佐野日大が身体を張ってブロック。攻め込めど、佐野日大の堅い守備を崩しきれなかった。

 そして、ピンチを凌いだ佐野日大は、後半アディショナルタイム3分に山田のパスを受けた細谷が4点目。最後まで攻守ともに集中力を切らさなかった佐野日大が4-0の完封勝利を飾った。

「相手のカウンターへの対処を意識して臨みました。相手が前に来たときにいかにボールを奪って、攻撃を仕掛けられるか。前の3人が凄くハマったし、ワイドの選手も幅を使って攻めてくれた」。試合後、佐野日大・海老沼秀樹監督がそう語ったように、80分間を通じて組織として意思疎通がとれていた。そして、次なる相手はプリンスリーグ関東首位の矢板中央。今年のインターハイ予選決勝で0-3の完敗を喫した相手だ。

「プリンス関東で1位を走るチームと真剣勝負出来ることは嬉しい。思い切りやるだけです」(海老沼監督)。

 毎年のように決勝で激突する県内最大のライバルは今年、とてつもなく大きな力を持っている。「手強いのは分かっているが、リベンジをしたい」と大塚が力強く語ったように、相手の力を理解した上で、自らの成長を示さんと、「栃木のサクラ軍団」は2年ぶりとなる選手権出場権を懸けた大一番に挑む。

(取材・文 安藤隆人)
●【特設】高校選手権2018

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