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[MOM2676]長崎南山GK緒方大輝(3年)_“最後はオレに任せろ”。主将マーク託された守護神がPKセーブ

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PK戦1人目、長崎南山高GK緒方大輝がシュートをストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長崎県予選準決勝 長崎南山高 1-1(PK4-2)長崎日大高 トラスタ]
 
 守護神は試合前、主将のMF小畑壮介(3年)にある“お願い”をしていたのだという。「ずっと副キャプテンで来ていて、壮介とは国体でも一緒。『最後はオレにチームを任せて欲しい』とキャプテンマークをもらいました」。PK戦前に長崎南山高のキャプテンマークを小畑から受け継いだGK緒方大輝(3年)が、長崎日大高の1人目を止めて決勝進出へ導いた。

 PK戦は先攻・長崎南山1人目の小畑のシュートが右ポストを直撃。チームに嫌な空気が流れた。だが、その直後、緒方が相手1人目のキックをギリギリまで待ってから左へ跳んで、ストップする。4人目が枠を外した長崎日大に対し、長崎南山は2人目から4人連続で成功。インターハイ予選優勝校をPK戦の末に下した。

 V・ファーレン長崎U-15出身の緒方は登録172cmで特別なサイズはないものの、飛距離のあるキックや安定したセービングが武器。加えて「生徒会長やっていたのもあって、責任感はチームで一番あるのかなと思います」という。10月いっぱいまで生徒会長の重責をやりきり、現在は選手権に集中。「最後はオレにチームを任せて欲しい」と宣言したGKは、責任を果たすセーブでチームを救った。

 村里英樹監督からは毎日のように「選手権で勝つためにはGK」と言われてきた。3年前に全国出場を果たした際はGK藤岡柊太という好守護神を擁し、彼がチームを勝たせる活躍。その藤岡に憧れて長崎南山へ進学した緒方が、「その先輩を越えられるように努力してきて、その先輩もPK止めるのが上手だったのでその先輩を越えられるようにやってきました」と説明する成果を発揮し、チームを勝たせる仕事をしてのけた。

 試合後には応援に駆けつけた学校長に「止めましたよ!」と笑顔でアピール。生徒会長として接してきたこともあるだろうが、大人相手にも堂々と話をしてチームに良いムードをもたらすことのできる存在だ。

 決勝は「きょう見ていたらレベルが違います」と話す長崎総合科学大附高が相手だが、「決勝では今まで3年間やってきたことを全部出して、できれば失点ゼロで勝てたらいい。しっかり食らいつけばなんとかなると思います。何本でも止めます」と語る守護神が決勝でも責任感を持って長崎南山のゴールを守り抜き、仲間や恩師たちと優勝を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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