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「チャレンジャー」「絶対謙虚」。立ち向かう姿勢持って戦う桐光学園が4-0で神奈川準決勝突破!

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後半35分、桐光学園高はU-16日本代表のエースFW西川潤がPKを決めて4-0

[11.4 選手権神奈川県予選準決勝 東海大相模高 0-4 桐光学園高 等々力]

「チャレンジャー」桐光学園が決勝進出! 4日、第97回全国高校サッカー選手権神奈川県予選準決勝が行われ、インターハイ準優勝の桐光学園高が右SB岡孝樹(3年)の先制ヘッドなどによって東海大相模高に4-0で快勝。桐光学園は11日の決勝で2年ぶりの全国大会出場を懸けて三浦学苑高と戦う。

 桐光学園の鈴木勝大監督は選手たちに「自分たちから立ち向かうこと」「絶対謙虚」という姿勢を徹底的に求めてきた。インターハイ全国2位という結果はチームの自信になった一方で慢心をもたらしてもおかしくないところ。だが、U-16日本代表のエースFW西川潤(2年)がAFC U-16選手権で不在だった期間などに苦戦を強いられてきたこともあり、「チャレンジャーという立ち位置でまず入るようになった」(鈴木監督)というチームは、この日も立ち向かう姿勢を見せ続けて難敵を突破した。

 桐光学園は準々決勝の日大藤沢高戦で2点を先取されたこともあり、立ち上がりの入り方を修正。強度高く、切り替えの速い守備とGK北村公平(1年)の好セーブもあって0-0で試合を進める。そして前半24分、西川の右CKをニアに飛び込んだ岡が頭で合わせて先制点を奪った。

 岡はインターハイ予選準決勝でも後半終盤に同点ヘッド。「ニアにいい感じで来たのでインターハイの時もニアで合わせて同じ位置で合わせることができた。チームにいい流れを持って来れていると思っています」という岡の一撃で桐光学園がリードを奪った。

 関東大会予選優勝校の東海大相模は、甲府内定のU-17日本代表MF中山陸(3年)が先月に太腿を負傷した影響で万全ではなく、ベンチスタート。MF有馬和希主将(3年)と10番MF中島優太(3年)を中心に長短のパスを交えながら攻撃するが、シュート数を増やすことができない。0-1の後半立ち上がり、中山のスタンバイが完了し、交代準備。だが、彼の投入直前に痛恨の2失点目を喫してしまう。

 後半9分、桐光学園は右中間でボールを受けた西川が複数のDFを引きつけると、ターンしながら逆サイドでフリーのMF西牧蓮(3年)へスルーパス。GKと1対1となった西牧が左足シュートを決めて2-0とした。この日マンマークを受けていた注目FW西川は、個で勝負するよりも1タッチパスを多用していたが、見事な駆け引きから2点目をもたらした。

 東海大相模は直後に中山を投入したが、次の1点も桐光学園が奪う。15分、右サイドのFW敷野智大(3年)からパスを受けた西川が素早く左中間でフリーの西牧へ展開。このパスをコントロールした西牧が切り返しから右足シュートをねじ込み、3点差とした。

 反撃したい東海大相模だが、有馬が負傷交代するアクシデント。その中で中山がピンポイントのラストパスや展開、そして自らシュートへ持ち込む動きで攻撃を活性化する。だが、中山のシュートは桐光学園の好守の前に阻まれ、FW横山翔大(3年)の左足シュートもわずかに枠右へ外れるなど追撃することができない。

 逆に桐光学園は35分、縦パスでDFよりも一瞬速くPAへ飛び出した西川がファウルを受ける形でPKを獲得。これを自ら左足で決めて勝負を決定づけた。桐光学園の鈴木監督は4得点よりもCB望月駿介主将(3年)を中心に無失点で終えた守備を高く評価。岡は「自分たちはチャレンジャーなので、去年の決勝で負けた分も、インターハイ予選の決勝で負けた分も自分たちが全国出るんだという強い気持ちを持って、チーム全体守備からというところとチャレンジャーという気持ちを持って意識を共通できたのが4-0という結果に繋がったと思います」と頷いた。

 自分たちはチャレンジャー。その立ち位置をチーム全員が共通認識している。昨年度の選手権予選は準優勝。今年のインターハイは神奈川2位での出場で、全国大会も決勝で敗れている。西川は「去年も決勝で敗れたり、夏も2位。しっかり謙虚な気持ちを持って、今はその意識をみんなが持っている」と説明した。今大会、初戦から湘南工科大附高、日大藤沢、東海大相模といずれも決勝戦のようなカードを勝ち上がってきた桐光学園は、また謙虚な姿勢を持って一週間準備をする。

 決勝の対戦相手はインターハイ予選決勝で敗れている三浦学苑。岡は「自分たちはチャレンジャーなので、インターハイ予選の決勝も三浦に負けていてその面では絶対に勝たないといけない相手なので、必ず倒して絶対に全国に出たいと思っています」と誓った。決勝戦も変わらぬ姿勢で立ち向かい、必ず勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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