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[MOM2680]岡山学芸館MF永田一真(3年)_プレー面、精神面でチーム引っ張った主将が2度目の選手権へ

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優勝旗を手に笑顔を見せる岡山学芸館高MF永田一真主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権岡山県予選決勝 岡山学芸館高 3-2(延長) 作陽高 シティライトスタジアム]

 試合終了直後からピッチ上で行われた閉会式。逆転負けに涙する作陽高のメンバーの横で、岡山学芸館高のメンバーも泣いていた。キャプテンマークを巻くMF永田一真(3年)も、涙をこらえながら優勝の賞状を受け取る。リベンジを果たしての2回目の選手権出場に、格別の思いがこみ上げてきていた。

 岡山学芸館にとっては、3年連続となる選手権予選決勝の舞台。2年前の初出場時も交代出場でピッチに立った永田は、昨年も連続出場を目指して先発出場したが、作陽の前に敗れて涙をのんでいた。県内最大のライバルとの1年後の再戦は、これ以上ない雪辱の舞台。しかし前半31分までに0-2とリードされる苦しい展開を強いられた。

 だが、永田は「あまり焦りはなかったです。今日は絶対に勝てるという自信があった」という。自信の源は、準々決勝で敗れた全国総体予選後のハードなトレーニングだ。前半のうちに1点を返すと、パワフルな攻めで作陽を追い込んでいく。4-1-4-1の2列目に入った永田は、持ち前の体の強さを生かしたドリブル突破を見せたかと思えば、ワンタッチでパスをさばいて周囲を走らせるなど、幅広いプレーで攻撃をけん引した。

 永田自身も惜しいシュートを放ちながら同点ゴールが遠かったが、後半終了間際に追い付いて延長へ。「走り勝てるので、延長に入れば勝てると思っていた」という永田の言葉通り、延長に入ると岡山学芸館は何度も決定機を作り出した。ここでもゴールが遠かったが、PK戦突入寸前の延長後半9分の決勝点で、大逆転勝利を収めた。

 前述の選手権初出場時はFWだったが、昨年度は体の強さやキープ力を買われてボランチでもプレーし、予選決勝もボランチで出場。1列前に移った今年度は豊富な経験を生かしたプレー面でだけでなく、主将として精神面でもチームを引っ張り、2回目の出場に貢献した。

 2年前は全国大会も経験。山梨学院高(山梨)との1回戦で後半31分から登場したが、見せ場を作れないまま、チームも0-1で敗れた。「あの舞台の圧力がすごくて、何もできませんでした。今度は自分の力を100パーセント発揮できるように頑張りたい」。力強い言葉で、選手権初勝利への貢献を誓った。

(取材・文 石倉利英) 
●【特設】高校選手権2018

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