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[MOM2681]桐光学園MF西牧蓮(3年)_意識変わったアタッカー、先発起用に応えて2得点!

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後半9分、桐光学園高MF西牧蓮が左足シュートを決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権神奈川県予選準決勝 東海大相模高 0-4 桐光学園高 等々力]

 桐光学園高の鈴木勝大監督は4得点奪ったことよりも、無失点で試合を終えたことを評価していた。連動して守り、個々の技術高い東海大相模高に思うようなポゼッションをさせなかったことが大きな勝因に。また、1ゴール3アシストの活躍を見せたエースFW西川潤(3年)らヒーローの多かった試合だが、与えられた出場チャンスで見事に結果を残したMF西牧蓮(3年)の活躍も見逃せない。

 この日、桐光学園は左サイドの強力アタッカー、MF佐々木ムライヨセフ(2年)が累積警告のために出場停止だった。先発チャンスを得たのは万能型アタッカーの西牧。「チームのために戦うとか、走るという部分を第一に考えていた」という背番号13が、チームに貴重な2点目と3点目のゴールをもたらした。

 まずは後半9分、右中間でキープした西川が反転しながら逆サイドの西牧へスルーパス。これでGKと1対1となった西牧がGKの股間を通す左足シュートを決めた。さらに15分には、再び西川のパスを受けた西牧が切り返しからの右足シュートをゴールへねじ込んだ。

「(西川)潤が持った時は左利きというのもあって常に自分が視野に入っていると思っている。練習試合や紅白戦の時とかも結構、潤から良いパスが何度も来ているので、潤がボールを持ったらチームとしてチャンスになるかなと思っています」

 西牧は期待のストライカーとして横浜FC鶴見ジュニアユースから桐光学園へ進学。1年時のRookie LeagueではFW小川航基(現磐田)が桐光学園でつけた特別な番号「9」を背負い、選手権のメンバー入りも果たしている(選手権の番号は「24」)。ただし、器用な半面、先発を勝ち取るだけの違いを生み出すことができず。今夏、チームが全国2位になったインターハイは怪我もあってメンバー外となった。

 ただし、「チームに貢献できないという時期が長かった。残されているのは選手権。そのことも分かっていたので、練習前の補強や練習後のストレッチや、練習中に人一倍声出すとか意識を変えてきました」。練習で先頭に立って走るなど、姿勢が変わった西牧を鈴木勝大監督も見逃さなかった。準決勝で佐々木の代役として起用。すると、西牧は献身的なプレーに加えて2ゴールと期待に応えてみせた。

「9」への憧れはあった。「小川くんの9番は1年生の時に重かったですし、3年目もつけたいなというのがあったんですけれども、なかなか監督の期待にも応えられなかったので、番号とか気にせずに試合に出たら結果を残したいと思っていました」と西牧。思いをぶつけて勝利に貢献したアタッカーは、満足することなく決勝に目を向けていた。

「まだ決勝に出られるかどうか分からないんですけれども、出たらチームのためにできることを考えてチャンスがあれば点獲ってチームに貢献したいです」。出番を少しでも長く得るために練習でアピールを続け、再びチャンスを掴んで結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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