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2年生主体のチームで3年生が意地見せる!帝京長岡が中島劇的V弾で決勝進出!:新潟

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後半アディショナルタイム、帝京長岡高MF中島颯太(12番)が決勝ゴール

[11.4 選手権新潟県予選準決勝 日本文理高 2-3 帝京長岡高 五十公野公園陸上競技場]

「典型的な負けパターンでしたが、最後に3年生が意地を見せてくれた」。

 帝京長岡高・古沢徹監督が試合後に目を細めてこう語ったように、新潟県予選準決勝第二試合は、後半アディショナルタイムの決勝弾で帝京長岡が日本文理高を3-2で振り切って、決勝進出を手にした。

 帝京長岡はスタメンの7人が2年生という、2年生主体のチーム。守護神の猪越優雅、ボランチの丸山喬大、ゲームメーカーのMF谷内田哲平、エースの晴山岬と、チームの柱は2年生だが、小泉善人長渡彗汰のCBコンビやボランチの梨本夢斗(3年)が奮闘を見せ、さらに途中出場で送り込まれた3年生が試合を決めた。

 先制したのは帝京長岡。12分、中央でボールを受けた谷内田が糸を引くような正確なスルーパスを送り込み、抜け出した丸山が冷静に決めた。27分に日本文理のMF松岡純弥に強烈なミドルシュートを浴びて、同点に追いつかれるが、後半開始直後の2分に晴山が鮮やかなシュートを決めて、再び勝ち越した。

 ここまでは帝京長岡ペースだった。しかし、千葉加入が内定しているGK相澤ピーター・コアミ(3年)を負傷で欠く日本文理は、ここから巻き返しを見せた。26分、FW佐藤大雅(3年)に代えて1年生DF内田大知を投入すると、3-4-3システムから4-4-2にシフトチェンジ。すると、ダブルボランチに入った古俣眞斗(2年)と交代出場の井戸大雅(2年)の2人の動きが活性化。「ボランチの追い越しが増えた分、自分達のマークがズレてしまった」と帝京長岡・晴山が語ったように、古俣と井戸がボールをはたいては、積極的に前に出て来たことで、日本文理の攻撃が勢いを増した。

 一気に試合の流れを変えると、34分に右CKからDF本宮信也(3年)が執念のダイビングヘッドを叩き込み、日本文理が土壇場で同点に追いついた。さらに攻撃の手を強める日本文理に対し、帝京長岡は小泉と長渡が鬼気迫る表情で身体を張ったディフェンスを見せる。すると、後半アディショナルタイム3分、31分に投入されていた3年生MF中島颯太が大仕事をやってのけた。

 右スローインをDF吉田晴稀(2年)が素早くFW田中克幸(2年)に投げる。田中が上げたクロスの先に待ち構えていたのが中島だった。山なりのクロスにファーサイドで飛び込むと、ヘディングシュートを沈め、値千金の決勝ゴールを挙げた。

「2年生が多いですが、3年生は凄くチームを引っ張ってくれていますし、僕らはその3年生に少しでも花を持たせられるようにしたいと思っています。2年生が人数は多いけど、縁の下の力持ちになりたいと思います」。

 晴山が語ったように、2年生と3年生ががっちりと噛み合い、3-2で勝利した帝京長岡。決勝の相手である北越は、プリンスリーグ北信越で1勝1敗のタイ(いずれも2-1)だけに、接戦が予想される。「決勝は激しい攻防戦になるので、良い準備をして臨みたい」(古沢監督)。ともに技術のある選手を揃えるチーム同士の一戦だけに、ハイレベルな戦いを制するべく、帝京長岡は決戦までの一週間を有効活用する。

(取材・文 安藤隆人)
●【特設】高校選手権2018

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