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[MOM2685]四国学院大香川西MF吉田源太郎(3年)_プロ注目の素材、坊主で気合を入れ直した主将

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左サイドで圧倒的な存在感をみせていたMF吉田源太郎(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 高校選手権香川県予選準決勝 坂出商0-1四国学院大香川西 県営主]

 MF吉田源太郎(3年)が挙げた得点がこの試合唯一の得点になった。前半20分、CKの流れから FW堀恵大の落としを受けた吉田はエリア手前からゴールを狙う。「GKが真ん中に立っていたので、外から巻いて打った方が嫌だろうなと思った」という冷静な判断から放たれた右足シュートはGKも届かない右隅に飛ぶと、クロスバーをかすめてゴールネットに収まった。

 吉田は大阪府出身。全国、そしてプロを意識して全国高校選手権出場10回を誇る香川県の名門、四国学院大香川西高に越境入学した。卒業後のプロ入りを目指しており、今年に入ってJ2の水戸ホーリーホックツエーゲン金沢の練習に参加。意識を高く持って、高校最後の冬を全力で戦っている。

 今夏の総体予選後からは主将にも就任。それまではMF宮谷蓮地(3年)が務めていたが、諸事情により、大役が回ってくることになった。大浦恭敬監督からは、「チームを引っ張っていくのと、マイナスなプレーは自分が絶対にしてはいけない」と、より強く責任感を持つようにとアドバイスされたという。

「(1年生がスタメンに多いが)2個下なので言い過ぎるとシュンとなってしまう。そこは前向きな発言をして、チームを盛り上げていきたいと思っています」

 高校最後の大会。高校選手権への想いは強い。14年までは9年連続で全国に進んでいた香川西だが、近年は3年連続で予選敗退。今年は総体の出場も逃した。

 必ず全国に出たい。ここまで危なげなく勝ち上がってきた香川西だが、吉田は自身のプレー面に納得がいかなかったこともあり、頭を丸めた。気合を入れ直した効果か、準決勝ではチームを決勝に導く決勝点。「今日のゴールに繋がったのかな」と頭をさすった。

 しかし大浦監督は「吉田はダメですね。相手の嫌がることをやれていない。好きなことしかやっていない」と辛口評価。ただこれは期待の裏返しであることは明らか。吉田も「自分が決めてやるという気持ちが強すぎた。仕掛けすぎてボールを持ちすぎた」と受け止めると、「(決勝の大手前高松は)自分たちが練習していることをすべて出し切ったら勝てる相手。落ち着いて自分たちのプレーをして、優勝したいです」と力強く話した。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2018

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