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日本代表&U-21日本代表メンバー発表 森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

 日本代表森保一監督が7日、都内で記者会見を行い、16日のキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦(大分)、20日の同キルギス戦(豊田ス)に向けた日本代表メンバーと、UAE遠征を行うU-21日本代表メンバーを発表した。

以下、森保一監督の会見要旨

森保一監督
「今回、A代表のキリンチャレンジカップとU-21東京五輪世代のUAE遠征を同時に行うが、私はA代表で指揮を執り、U-21東京五輪世代のUAE遠征は横内コーチに監督として指揮を執ってもらいたいと思う。同時に2つの活動をすることになるが、横内コーチとはこれまでも長く仕事をしてきているし、意思疎通は取れている。常に同じ絵を描きながら我々は進んできていると思うので、この2つの活動がこれからに向けて成長につながる、いい経験ができると思っている。A代表のキリンチャレンジカップについてはベネズエラ戦、キルギス戦の2試合あるが、これまでどおり勝ちにこだわること、チームとしての戦術浸透をさらに深めていくこと、また個々の力をより高めていけるように、そして初招集の選手の力をこのグループの中で見ていきたいと思っている。U-21東京五輪世代の活動については私は直接行かないが、横内監督が指示すること、指揮を執ることについてはすべて私と同じだと思っている。彼が言っていることは私が言っていることと同じだと、自信を持ってやっていただけると思っている。選手も同じ方向に向かっているということでベストを尽くしてもらいたい。A代表もアンダー世代も融合というものを考えている。今回の東京五輪世代のUAE遠征も、A代表の経験をした伊藤達哉が加わるということ、そしてU-19アジア選手権で活躍した選手たちが一つ上の東京五輪世代に入ってきてくれるということで、各世代の融合を図りたい。A代表の経験をした選手がどういうことを経験したかが東京五輪世代の選手にも伝わると思うし、そういう浸透を図っていければと思っている。日本のサッカー界としても、U-19の世代、東京五輪世代、A代表がつながることによって全体の融合、レベルアップにつながっていく、いい機会だと思っている」

―A代表のコーチに齊藤俊秀さんと秋葉さんが入っているが、その理由は。2つの代表メンバーを同時に発表したが、選考過程で難しかったことは。
「コーチのスタッフ編成だが、これからずっとこのような形になるかどうかは分からないが、暫定ということで、この2つの活動をするにあたって各世代のU-19、U-16の選手権に行った森山ジャパンのコーチ、影山ジャパンのコーチにサポートしてもらい、A代表の活動をしていければと思っている。その活動の中で我々がやっていることを各アンダー世代のコーチたちに分かってもらって、経験してもらうことで、また影山ジャパン、森山ジャパンに戻ったときにいろんな部分で共通認識を持てればと思っている。すべてのチームが同じ、コピーしたチームではないと思うが、どの世代の代表チームも日本代表として誇りを持って戦えるように、日本人の良さを持って戦えるようにという思いを持ってやっていると思うので、選手だけでなく、スタッフも共通認識することで各世代の融合ができればと思っている。

 毎回、選手選考は難しいと思っている。一つの代表を決めるだけでも、今回もフィールド20人、GK3人ということで、もっと多くの候補の選手がいる中で絞って活動しないといけない。できればもっと多くの選手を呼んで活動できればという思いを持っているので、日本代表を目指している選手、日本代表の力になりたいと思っている選手を招集できないということは難しさを感じている。A代表と東京五輪世代の融合を図る意味で、A代表の選手は年齢的にU-21でなければ下にスライドすることはできないが、U-21東京五輪世代の選手をどうやってA代表のほうに引き上げて経験してもらうかというところは彼らの力も見つつ、どういう環境づくりをしたらいいかということは、兼任監督として、私だけでなくコーチも含めて、みんないろんな考えを持ちながら何がベストかということを考えてやっていく難しさはあると思う」

―初招集の2人に期待していることは。来年1月のアジアカップを見据えたうえで大事になるテーマは。
「A代表初招集の2人に関してだが、クラブで継続して出場している、特徴を発揮している選手かなと思っている。鈴木優磨に関しては今、ACLの決勝に臨むアジアのチャンピオンを目指す、力のあるチームの中で得点という結果も出しているし、前線の選手として存在感を発揮していると思って招集した。山中もマリノスで年間を通して継続して試合に出ているし、いいパフォーマンスを出しているということで招集した。パフォーマンスに波のある選手だとは思うが、特徴、スペシャルなものを持っている選手だと思う。特に攻撃的な部分で、左利きを生かしてのプレー、クロスや攻撃に絡むプレーが今回の代表招集につながった理由だ。このグループの中で彼らがどういう力を発揮してくれるかを見たいと思う。2人に関しては初招集だが、思い切りプレーして自分の個性を発揮してほしいと思う。

 アジアカップに向けてだが、初戦のベネズエラと2戦目のキルギスはまったく違う戦いになるかなと思っている。我々に対してどういう対策を取ってくるか分からないが、キルギスに関してはアジアカップを見据えたときにアジアでの戦いを想定できる試合になるかなと思う。まだしっかり分析しているわけではないが、まったく別の戦いをしていかないといけない。選手たちはこれまで非常にアグレッシブに、チームとしても個人としても自分の力を発揮して、いいトライをしてくれたと思っている。アジアの戦い方と、アジア以外の諸国と戦う戦い方は別々の戦いをしないといけないし、対応力を求められると思う。これまでどおり選手にはアグレッシブにプレーしてほしいが、相手を崩していくために、相手にまさっていくためにどういう戦い方をしたらいいかを学べる、アジアカップに向けていいシミュレーションになるキルギス戦だと思う」

―前回とほぼメンバーが変わらなかったが、今回のメンバーがアジアカップのコアになるのか。
「すべてが基本的にというところだが、これまでキリンチャレンジカップで招集した選手を中心にアジアカップに臨んでいくという意味では、基本的にそういう考えでいるが、我々のチームに情報は吸い上げているが招集していない選手もたくさんいる。その選手たちがアジアカップに入ってくるということも当然考えながらやっていきたいと思っている。選考していく中で今回のキリンチャレンジカップでの戦いは、このメンバー選考が今回に関してはベストだろうと思って決めた。決めた結果があまり変わらなかったというところはある」

―A代表で指揮を執ってきて、あらためて五輪代表に落とし込みたい部分は。
「まずはすべてのクオリティーを上げることが大切かなと思う。技術的なクオリティーや判断の早さ、的確な判断をするところはもっと上げていかないといけないと思うし、技術を発揮するために戦う球際の部分、もっとインテンシティーを上げていくところ、これまでの日本代表監督が言ってきたインテンシティーを高く持ってやっていくところ、デュエルの部分でもっと強くやっていく部分はベースとして持ちながら、日本人の持っている技術を、西野さんが言われたとおりに発揮していくところは、東京五輪世代の選手にすべてを上げていくということを伝えていければと思う。そういった意味で今回、A代表のコーチとして9月、10月のキリンチャレンジカップを経験したコーチたちがUAE遠征に行って、彼らに伝えていくこと、感覚的に伝えられるのは、すごく大きな経験をチームとしてもやれたと思うし、より高いものを求めていけると思う。A代表を経験した選手がアンダー世代の活動に入っていくことで東京五輪世代の選手には刺激を受けてほしいし、A代表を経験した伊藤達哉にはそこで経験したことをUAEの遠征で発揮してもらいたいと思う。U-21の活動としては直近のアジア大会で準優勝することができた。そこは自信を持ってほしいと思うが、自信が過信にならないように、もっともっと高めていくことを忘れずにやってほしい。アンダー世代の代表で満足 するのではなく、東京五輪世代の選手たちはA代表での活動を目標にして、A代表で活動しながら東京五輪に関わっていくという強い気持ちを持ってもらいたいと思う。アジア大会の決勝で韓国に敗れてしまったが、非常に良い試合をしてくれたと思う。今、彼らが持っている力は100%出し切ってくれたと思うが、韓国は素晴らしいチームだった。その戦いを最低限に持って、さらに高いものを目指してほしいと思う。韓国との決勝でのインテンシティーという部分、球際の戦い、自分たちが粘り強く戦うという部分、ベースのところを選手たちは見せてくれたが、そこからどれだけ攻撃できたかというところは満足できないものだったと思うし、あの激しく厳しい戦いを東京五輪では6試合最低限やって、目標とするものが得られる。そこのレベルアップという部分では厳しい気持ちを持ってUAE遠征に臨んでほしい」

(取材・文 西山紘平)

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