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[MOM2687]松陽GK吉村虎太郎(3年)_負傷交代の守護神に託されたPK戦で殊勲の2本ストップ!

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PK戦5人目、松陽高GK吉村虎太郎がシュートストップして決着

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿児島高 1-1(PK3-4)松陽高 桷志田サッカー競技場]

 0-1の後半アディショナルタイム、松陽高はチームをまとめながら、自身も安定したプレーを続けていたGK飯山寛也主将(3年)に代えてGK吉村虎太郎(3年)を投入する。これはPK戦を見据えての交代ではなく、直前のプレーで頭部から出血した飯山の状態を案じての交代。だが、松陽は直後にFW田添有真(3年)が同点ゴールを決め、PK戦へ持ち込む。

 緊急出場に加えて、PK戦を戦うことになった吉村。状況が一気に変化する中、彼の背中にはチームメートから次々と期待の言葉が掛けられていた。期待と重圧。そして、飯山から「頼んだよ」と声がけされた吉村は「頑張る」と決意し、キャプテンマークを巻いてPK戦の勝負に臨んだ。

 その1人目、先攻・鹿児島高のシュートに対して吉村は右にジャンプ。「(相手キッカーの情報に詳しい)仲間に『あっち蹴るから』と言われて」その通りに跳んだ吉村が止め、チームメートたちを熱狂させる。

 そして、互いにシュートを決め続けて迎えた5人目。止めれば準決勝進出の決まるシーンで再び吉村が魅せた。「相手が明らかに右蹴る感じというか、ずっと右を見ていたのでそっちに蹴るなと思って跳んだら当たりました」と2度目のビッグセーブ。殊勲の吉村目掛けてなだれ込んだチームメートたちの中には、涙している選手が複数いた。

「止めないと行けないな、と思っていました。最後ギリギリに追いついたので仲間のために」と吉村。向薗秀隆監督は吉村のPKストッパーとしての力を感じていたというが、体を張ってクロスを防いだ飯山のアクシデントから吉村の緊急出場、2本のPKセーブ……指揮官も驚いていた“不思議な巡り合わせ”は、諦めずに戦った選手たちが引き寄せたものだったのかもしれない。

 吉村は、「チームの1年生から3年生までみんなを引っ張る。試合中も後ろからみんなを鼓舞する。僕にはないものを持っている」という飯山の後を追う存在だった。自分の立場も考え、インターハイ予選後に勉強に専念するか迷った末、選手権までの続行を決断。「みんなで選手権こそ獲ろうと。(自分は)最後の最後で残ると決めました」。それから迷うことなく、努力してきたGKが特長であるシュートストップでチームを救った。

 チーム全員の目標である全国まであと2勝。この日、タスキを繋いだ吉村は準決勝、決勝で出番が来ても、飯山を支える立場になっても全力でチームとともに戦い、目標の選手権出場を勝ち取る。

 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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