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東洋大の注目ルーキー中村勇太、山下勇希、横山塁を直撃!

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左から横山、山下、中村

 関東大学サッカー界に飛び込んだ注目1年生を取り上げるこの企画。東洋大編はDF中村勇太(1年=鹿島ユース)、MF山下勇希(1年=昌平高)、MF横山塁(1年=FC東京U-18)の3人を直撃した。



―大学に入って半年以上が過ぎました。サッカーの違いで感じることはある?

中村「一人ひとりが上手いのが印象的ですね。ここの大学がボールを大事にするスタンスでやっているのもあって、新鮮です。練習で言うと、ユースの時は結構走りがあったんですけど、大学はあまりない。でもその分、質が高いというか、レベルの高さを感じます」

山下「高校年代でも上手い選手はたくさんいましたが、大学レベルはもっと個の部分で球際だったり、運動量が全然違う。守備の面が一番衝撃を受けました。プレスが早くて、入った当初は圧倒された部分がありました。練習は週明けの火曜とか水曜は対人が多い。でも練習時間を短く、短い時間で集中してやるという風にやっている。長くダラダラやらない分、集中して出来ているのかなと思います。きついけど自分のためになるのかなと思います」

横山「僕は高校ではずっと試合に出ていたが、大学に入って試合に絡む回数も少なくなってきて、自分なりにどうしたら試合に出れるかを考えるようになりました。がんばって模索しています。自分的には大学1年の春からスタメンで出るつもりでしたが、今も途中から出させていただいていますが、思い描いていた通りではないですね」

―東洋大の環境。

中村「最初は大学生って遊んでいるみたいなイメージがあったんですけど、みんな本気でやっていて、トレーニングに通っている人もいれば、練習以外でも練習場に来てシュート練習をしている。そういう面は嬉しいというか、プロを目指す意識の高い集団の中に入れることは嬉しいです」

横山「自分も最初は大学生って遊ぶイメージがあった。最初の方は遊んでいて、最近になって気づいて、遊んでいたらコンディションも悪くなるし、4年生で言うと(浦上)仁騎くんとかがストイックに頑張っているし、それを見ると負けちゃいけないなと思う。私生活という部分を大切にしていきたいです」

―遊んでいたという部分だけど、プライベートでも大きな変化があったはず。

横山「みんなで夜泊まりに行ったりしました。1年生ではGK森川拓海(日体大柏高)の家によく行きます。一人暮らし組で遊ぶことが多いですね」

山下「一人暮らし組は(グラウンド近くの)志木とか朝霞台周辺に住んでいるので、集まりやすいんですよね」

中村「でも最初は僕とかにも遊ぼうぜという感じだったんですけど、僕は大勢で遊ぶのが苦手なので、断っていたら呼ばれなくなった(笑)」

横山「たしかに大学でも結構誘われるんですけど、サッカー部なのでと言うと、そうなんだ、頑張ってねと言われるよね。サークルと違って部となると、“ああ”ってなる」

中村「あと高校だと制服じゃないですか。でも大学は私服なので、おしゃれしたいなと思うようになったのが、大学生になったなと思うことです。でも服を買いに行く時間がないんですよね……」

横山「僕は服装はあんま気にしないです。学校にはいつもスウェットで行きますし。めんどくさいんで。でも遊ぶ時だけちょっとキメていきますけど(笑)」



―みんなは何学部に通っているの?

中村「みんな国際観光学部です。勉強のリーダーは小林粋(大宮アルディージャユース)。あとは先輩からこの先生は単位が取りやすいとか聞いて、授業を受けるようにしています」

横山「国際観光学部は男子の割合が少ないので、女の子の話は良くします。友達はあんまりできていないですけど。結局はサッカー部で集まってしまうんですよね」

中村「サッカー部って明るいじゃないですか。だから最初は引かれていたというか、サッカー部うるさくないみたいな感じだったと思います」

―サッカー面でのリーダーっているの?

山下「サッカー面では学年別にキャプテンが決まっていて、1年生は神山京右(横浜FCユース)が仕切っています」

横山「1年の最初に集まったときに誰が一番しっかりしているかとか話し合って、それで決めました。タメ制度とかもあるので」

―タメ制度?

山下「“4タメ”で坊主なんですけど、先輩たちがダメと判断したら1個ずつ溜まっていく制度です。2つまでは何もないですけど、3つ溜まると走りで、4つ溜まると坊主という決まりなんです。今は“2タメ”です」

中村「でもやることが一杯あって。アプリでみんなで予定を共有して、今日は誰が掃除をやるとか分担しています」

山下「昌平の時はルールとかが全くなかったんですけど、東洋では1年生が準備や片付けをする。それは高校の時より厳しいなと思うことですね。上下関係はあまりないんですけど、ルールに厳しくて、オンとオフがはっきりしている。でも練習中は4年生が中心で声を出してやっている。まだ1年生は出せていない部分があるので、引っ張ってもらっているなと感じます」



―授業を受ける白山キャンパスと練習場のある朝霞キャンパスは移動距離があるけど、大変じゃない?

中村「ユースの時、僕は寮生活で、自転車でグラウンドまで10分くらいだった。でも学校の鹿島学園までも自転車で40分くらいかかった。毎日絶対自転車で行っていたので、今の環境も苦じゃないです」

山下「昌平はグラウンドが隣でした。今は家がグラウンドと近いのですが、平日の大学の授業のあとでこっちに戻ってきてからとなると、ちょっと高校と比べると…。でも高校も通いで1時間くらいかけていたので、そんなに苦じゃありません」

―移動時間はやっぱりゲームとか?

中村「そうですね。荒野行動とかウイイレはみんなやっています。対戦ゲームはみんなでやっていますね」

山下「サッカーはあまりみないかも、です(笑)」

―みんなでどこか行ったりとかはしないの?

横山「この間、学年会で富士急ハイランドに行きました。そういう時とかです」

―学年会?

中村「学年会は東洋の伝統というか、先輩とかだったらお酒を飲むとか、自分たちは飲めないので、バーベキューとかいろんな案が出た中で、富士急に行きました。お金は一人ひとりが出す感じ。車の免許を持っている人がいるので、乗り合いで行きました。マネージャーも含めて、学年の仲を深めようみたいな感じです」



―他大学ではすでに1年生でレギュラーを獲得した選手もいる。Jリーグに目を向けると、同世代の活躍も目立つ。

横山「流経大とか1年生が出ていて、点を決めているとやっぱり気になりますよね」

山下「僕もですね」

横山「Jリーグは同い年の選手は出ていたりすると、少なくともハイライトは見ます。刺激になります。特に郷家(神戸)とかは気になります」

―横山選手と中村選手はよりJリーガーを身近に感じることが出来る環境にいた。

横山「小1からずっとFC東京でやってきた。でも自分は素行が悪くて、高1から寮だったんですけど、高2の時に遊びまくって、門限とか破りまくった。それで退寮させられたんですけど、クラブはやめさせられなかった。諦めず育ててくれて、結果的に高3で代表に入れて、大学にも繋がったと思うので、そこは結果で恩返ししたいんです。右田コーチっているんですけど、結構怖い(笑)。でもその人にサッカーノートを毎日書いていて、起床時間と家に帰った時間、毎日練習の内容を書いたものをずっとチェックしてくれた。それは今でも続いている習慣になっています」

中村「僕は鹿島の試合をチェックしています。ハイライトは絶対見ます。将来的にアントラーズに帰りたいので、意識しています。世代別代表にも戻りたい。冨安選手が1個上なんですけど、A代表でやっている。勝利に貢献しているのはすごいという反面、自分もそこのピッチに立ちたいので、諦めずにやっていきたいです」

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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