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愛媛の王者は宇和島東!! 決勝で八幡浜工下して8年ぶりに選手権の舞台へ

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8年ぶりの選手権出場を決めた宇和島東高

[11.10 選手権愛媛県予選決勝 宇和島東高2-0八幡浜工高 ニンスタ]

 第97回全国高校サッカー選手権愛媛県予選決勝が10日に行われ、ニンジニアスタジアムで宇和島東高と八幡浜工高が対戦。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半26分にFW豊田湧(3年)、同アディショナルタイムにMF増田圭祐(2年)がゴールを奪った宇和島東が2-0の完封勝利を収め、8年ぶりの選手権出場を決めた。

 序盤から攻勢を仕掛けたのは宇和島東だった。前半5分にMF立木耕貴(3年)のFKからMF武内伶郎(3年)、同12分に立木のCKからMF宮本竜成(3年)、同24分には立木のスルーパスからPA内に侵入した豊田がフィニッシュまで持ち込んだものの、そのすべてがGK大星陸渡(3年)にストップされてしまう。その後も大星、DF稲垣壮智(3年)とDF松井俊介(2年)の2CBを中心として堅牢な守備を築く八幡浜工を崩し切れずに得点を奪えずにいると、同28分には守備に回る時間が長かった八幡浜工がゴールに迫る。

 後方から送られたパスでPA内に走り込んだMF松本航汰(3年)が放ったシュートは距離を詰めたGK武下真大(2年)に阻まれ、その流れから放ったMF堀内優旗(3年)の強烈なミドルシュートは、ブロックを試みたDF田邑秀太(3年)の頭に触れると、クロスバーを叩いてネットを揺らすには至らなかった。この他の場面でも八幡浜工の攻撃をしのいだ宇和島東守備陣を赤松弘教監督は称える。

「相手の守備が良くて難しいゲームだったけど、後ろが集中力を切らさずに最後まで粘り強くやってくれた。チャンスのあとには必ずピンチが来るから、前が決め切れなかったときこそ後ろは集中して信じて守ってくれとずっと言っていた」

 前半をスコアレスで折り返したものの、守備陣の奮闘に応えるように宇和島東攻撃陣は後半も好機を生み出す。同12分に左サイドを突破した竹内のクロスから放ったFW芝悠斗(2年)のヘディングシュートは枠を外れ、同23分に相手のバックパスのミスを奪って大星との1対1から芝が狙ったシュートもゴールマウスを捉え切れなかったが、同26分にエースが大仕事をやってのける。ハーフウェーライン付近からボールを運んだ立木からボールを受けた豊田が、立木にリターンパスを送ると自らはゴール前へ。立木が巧みなチップキックで最終ライン裏に落としたボールに反応すると、豪快なボレーシュートをネットに突き刺し、ついに試合を動かした。

「最後はやっぱり豊田が決めてくれた。難しいゲームだったけど、その中で最後打開できたのは選手たちの頑張りのおかげだと思う」(赤松監督)。さらに勢いに乗ったチームは同アディショナルタイム、豊田の浮き球のパスから最終ライン裏に飛び出した増田が、鮮やかなループシュートでネットを揺らしてダメ押しゴールを記録。2-0の完封勝利を収めた宇和島東が全国行きの切符を手に入れた。

 今夏の全国高校総体では米子北に敗れて1回戦敗退を味わったが、「その経験が選手にとってプラスになった」(赤松監督)と悔しさをバネにして成長を遂げ、8年ぶりに選手権の舞台へと向かう。「全国で勝ち上がっていくことを目標にしているので、まだまだ」と表情を引き締めた指揮官は、「今までやってきたことを一段階ずつ上げて、インターハイでできなかったことを選手権ではしたい」と選手権開幕までの1か月半で、さらなるレベルアップを図っていこうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2018

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