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日本航空の10番FW師岡が最前線で存在感。中学時代の仲間たちが活躍した全国舞台へ

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日本航空高の10番FW師岡柊生

[11.10 選手権山梨県予選決勝 帝京三高 0-2 日本航空高 中銀スタ]

 先を行く旧友たちが活躍したピッチに立つ権利を得た。日本航空高の10番FW師岡柊生(3年)はこの日、最前線で非常に存在感のある動き。シンプルにロングボールを前線に入れるチームの中で身体を張ってボールを収め、そして前を向けば推進力十分のドリブルで相手を押し込んだ。

 ボールをキープできなかったシーンもある。だが、当たりの強さやキープ力を活かし、時に単騎でもマイボールにしてしまう師岡に帝京三高のDF陣は手を焼いていた。後半39分に交代するまで前線でハードワークを継続。後半も個でPAへ切れ込んで見せるなど走り切った。

 師岡は昨年度の選手権予選途中で半月板を負傷し、手術。4か月後に復帰したが、今年の新人戦は出場することができず、関東大会予選、インターハイ予選はいずれも交代出場だった。入学して以来、「7箇所くらい(苦笑)」の怪我。そのため、体力面が課題だった師岡は夏の期間にそれを磨き続けて武器に変えた。それはライバルとの直接対決で勝利するためだった。

 師岡は東京の強豪、FC多摩ジュニアユース出身。中学時代に2トップを組んでいたFW宮崎純真(3年)は今夏、ゴールを連発するなどエースとして山梨学院高のインターハイ制覇に貢献。甲府入りも勝ち取った。師岡は「(選手権予選の)決勝でやろうよ」と約束した宮崎との対決を目指して過ごしてきた夏。だが、宮崎擁する山梨学院は選手権予選準決勝で帝京三高に敗れ、決勝に進むことができず、直接対決の夢は潰えた。

 それでも、「(彼の悔しさを)力に変えて自分がやってやらないと」と師岡は決勝に集中。宮崎から帝京三のキーマンについての情報を得て決勝に臨んだ師岡は自身も活躍して勝利し、全国出場を決めた。

 宮崎との直接対決をすることはできなかったが、千葉県予選で決勝進出している流通経済大柏高CB関川郁万(鹿島内定)や神奈川県予選で決勝進出しているCB望月駿介(桐光学園高)らFC多摩ジュニアユース時代の仲間たちと全国で対戦する可能性がある。

 昨年は関川がインターハイで全国制覇し、今年のインターハイでは宮崎や望月らが全国決勝で日本一を懸けて戦った。彼らが活躍してきた全国舞台に3年目でたどり着いた師岡は憧れの場所での活躍を誓う。

「負けられないですね。(もしも関川や望月と対戦したら)クリアさせないように全部収めて散らしたり、得点決めたりしたい」。この決勝では活躍したものの、県予選全体の成績はまだまだ。ここから自分をもっと磨いて、出られない旧友の分も全国で走り回る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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