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指揮官も諦めかけた兵庫制覇…泥臭いサッカーで勝ち切った関西学院が50年ぶりの歓喜

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関西学院高が50年ぶりの選手権へ

[11.11 選手権兵庫県予選決勝 県立西宮高 1-2関西学院高 ノエスタ]

 第97回全国高校サッカー選手権兵庫県予選決勝が11日に行われ、関西学院高県立西宮高を2-1で下し、50年ぶり10回目の出場を決めた。

 立ち上がりに主導権を握ったのは、山根誠監督から「先に失点した方が負ける。綺麗なサッカーは難しいけど、勝負に拘った泥臭いサッカーをしなさい」との指示を受けた関西学院だった。昨年は決勝で滝川二高に敗れたが、緊張感のある舞台を経験した選手が4人いるのは強みで、この日は「昨年は緊張して良いプレーが出来なかったけど、よりも良い気持ち作りが出来たし、余裕があった」(DF網谷周世、2年)。8164人もの観客の中でも、序盤から落ち着いたプレーを披露し、サイドからチャンスを伺った。

 関西学院は前半7分にFKからDF三輪愛大(2年)がヘディング弾を放つなど、高さを活かした攻撃を続ける。15分には中盤でボールを奪ったMF中出湧大(3年)が左にサイドチェンジ。これを受けたMF林幹太(3年)がゴール前に低いクロスを入れると、「林クンはあそこで絶対に抜いて、上げてくれると思っていた」とチームメイトを信じて中央に走り込んだMF唐山明大(3年)が合わせて先制した。21分にも林の低いクロスをゴール前の唐山がダイレクトで合わせて加点。2点リードで前半を終えた。

 理想通りの展開で試合を折り返した関西学院だが、後半からは「3点目を獲りたい気持ちが選手にあったけど、丁寧に繋ごうとしてインターセプトされたり、クリアミスをして押し込まれた」(山根監督)。後半10分、DFの処理ミスを県立西宮のMF寺田健吾(3年)に右サイドで奪われると、ゴール前へのパスがMF中島快(3年)に渡った所で倒してしまい、PKを献上。これをMF赤木恵(3年)に決められ、1点差に詰め寄られた。

「PKからリズムがおかしくなった」(山根監督)関西学院は、ここから縦に速い攻撃を徹底した県立西宮に苦戦する。15分、DF兒嶋俊輔(3年)のクロスからMF梶本朱生(2年)にDFの背後に飛び出されたが、GK衣笠吉彦(2年)が落ち着いて前に出て対処した。以降もピンチが続いたが、「昨年は決勝で敗れて悔しい思いをしたので、絶対にやらせたくないという想いで頑張りました」と振り返る三輪を中心に、DF陣が粘り強い守りで失点を回避。24分には、ロングスローから赤木に決定機を与えたが、三輪がギリギリの所でクリアすると、そのまま逃げ切って勝利を手にした。

 神戸弘陵高を2度の選手権出場に導いた山根監督が関西学院の監督に就任したのは、今から21年前の1997年。これまでも新人戦、インターハイ予選を含めて、8回も県大会の決勝に進んできたが、獲得したタイトルは新人戦の1度のみ。62歳という年齢もあり、山根監督は「もう優勝できないかと思っていた」。今年も思うような結果を残せていなかったが、選手権が近づくにつれて守備の強度と団結力が増し、念願だった関西学院でのタイトルを獲得。試合後、喜びに湧く選手とスタンドを遠くから見守り、目頭を熱くしていたのが印象的だった。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2018

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