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崖っぷち北野讃岐、9年間の結末はいかに…最終節に必勝誓う岡村和哉「だからこそ、いつもどおりで」

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最下位にとどまったカマタマーレ讃岐

11.11 J2第41節 東京V1-0讃岐 味スタ]

「今シーズンの総括のようなゲームになってしまった」。今季限りで退任するカマタマーレ讃岐北野誠監督は、第41節の東京ヴェルディ戦をそう総括した。ボールを保持してチャンスをつくるも決め切れず、相手のセットプレーに屈して失点。ラストマッチとなる次節では「ボールを握る、ペースを握る、でも負けるじゃなく、そこで勝つことができれば良い」と意気込む。

 北野監督は2010年、当時は四国リーグ所属だった讃岐の監督に就任。同年にJFLへ昇格すると、13年にはJ2参入を果たし、9年間にわたって指揮を執ってきた。「この9年、しんどかった」。東京V戦の敗戦後、そんな本音をのぞかせた指揮官は「守ってカウンターしか生き残るすべがなく、これまではそればかりやってきたけど、今季は自分たちでボールを握ろうとした」と苦労の跡を明かした。

 主力の中では最古参にあたる在籍6年目のDF岡村和哉は次のように今季を振り返る。「最初は攻撃的に点を取っていこうとしたけどうまくいかず、一時期は下がってブロックを敷いて……というのもやって、うまくいくこともあった。ただ、それじゃ勝ち切れないということで前からプレスをかけて、再び攻撃的に行くサッカーをしている」。

 この日はそんなプレーの共通認識が結実し、上位の東京Vを相手に連動したプレスでボールを奪うと、立ち上がりから数々の好機を創出した。だが、それをなかなか生かせないのも今季の讃岐。「最後のシュートだったり、ラストパスの精度」(北野監督)という課題を乗り越えられずにいると、「リスタートのセカンドボールで押し込まれる」という悪癖も露呈。優勢ながらも0-1で敗れ、最下位にとどまった。

「サッカーは点を決めること、点を守ることが大事なので、それができていなかったらこういう成績になる」(北野監督)。そう苦しむ指揮官の心情を慮った岡村も「もっと点を取り切っていかないと、そこで取られると流れを持っていかれる。負の流れもあると思うし、それを断ち切ろうとやってきたけど、どうにも抗えなかった」と悔しそうに語った。

 シーズンは残すところ1試合。指揮官にとっては9年間過ごした地元クラブでのラストマッチ、そしてJ2残留の可能性にかけるチームにとっては自らの力で未来を変えるラストチャンスだ。「ここでこうしたら良いかなというのはイメージできるし、そこはかなり成長した」と自身の変化を実感し、「長くいるぶん、チームの状況にもっと敏感になるべきだった」と悔いを残す岡村も、さまざまな思いが交錯する試合となる。

「とてもお世話になってきた監督の最後の試合。試合に出られない時から見てもらって、だんだん出られるようになったので、特別な試合だと思っていることは監督も分かってくれていると思う。だからこそ、いつもどおりの気持ちで試合に臨みたい。選手全員で監督の気持ちをくんで勝ちたい」。チームの未来を変えるためにも、“しんどかった9年間”が少しでも報われる試合を繰り広げるつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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