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悔し涙を今回は喜びの涙に。西京が5発逆転で宿敵との決勝進出:山口

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西京高(エンジ)が5発逆転で決勝進出

[11.11 選手権山口県予選準決勝 西京高 5-2 豊浦高 県立おのだサッカー交流公園サッカー場]

 第97回全国高校サッカー選手権山口県予選準決勝が11日に行われ、西京高が豊浦(とよら)高に5-2で勝利を収めた。2年連続の決勝進出となった西京は18日の決勝で、3回目の出場を懸けて高川学園高と戦う。

 前半2分、豊浦はMF藤井聖剛(3年)がゴール前にフワリと上げたボールを、MF岸本寧大(3年)が飛び出してきた相手GKと交錯しながらもヘッドで合わせ、浮き球でゴールに流し込む。昨年の選手権予選は準々決勝、今年の全国総体予選は準決勝で西京に敗れている豊浦が、三度目の正直の勝利に向けて好スタートを切った。

 しかし、渡邉修身監督が「『落ち着いて、みんなで一度相談しろ』と声を掛けようとしたら、選手たち自身でやっていたので、プレーがバラバラになるほどの焦りはなかったと思う」と振り返った西京は、徐々にボールを支配して反撃。前半24分には右サイドを崩し、最後はFW前田唯翔(1年)が蹴り込んで同点とする。

 さらに前半30分にはMF村重尋也(3年)のFKを、相手GKの前に入り込んだMF池田柊(3年)がヘッドで合わせて逆転。前半32分にはゴール前でこぼれ球を拾ったMF斉藤龍馬(3年)が蹴り込み、わずか8分間で1点のビハインドを2点のリードに変えた。

 攻撃の手を緩めない西京は後半15分、エリア内でFW冨田大登(3年)が倒されてPKを獲得し、自ら決めて4点目。粘る豊浦は後半23分、相手のミスを突いて右サイドを崩し、DF宮崎穂高(2年)のセンタリングをMF崎田大希(3年)が決めて追いすがるが、西京は後半27分にMF池田がこの日2点目を決め、再び3点差とした。

 それでもあきらめない豊浦は、DF高山湧也(3年)が何度もロングスローをゴール前に投げ入れ、得点を狙った。勝利が絶望的な状況でも気持ちを切らさず、最後まで戦い抜いたプレーぶりは見事だったが、西京も的確に対応。結局そのまま5-2で勝ち、決勝に駒を進めた。

 西京は昨年の全国総体予選は準決勝で、昨年の選手権予選と今年の全国総体予選は決勝で、いずれも高川学園に敗れており、全国大会の予選で4大会続けて高川学園と対戦する。昨年の選手権予選決勝は前半のうちに0-2とリードされながらも、後半に2得点して延長へ。ここでシュートがポストに当たる不運もあって逆転はならず、逆に延長後半に勝ち越されて涙をのんだ。

 その試合後、悔し涙でスタンドにあいさつする様子の写真は、「この風景を絶対に忘れないぞ、という思いで」(渡邉監督)部室に飾られているという。1年後、雪辱の舞台。今度こそ県内最大のライバルを倒し、今年は喜びの涙とともにスタンドにあいさつする。

(取材・文 石倉利英) 
●【特設】高校選手権2018

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