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浜松開誠館が流れ見極めて4-0快勝、決勝も勝って新たな歴史を刻む:静岡

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前半40分、浜松開誠館高はFW弓場堅真(11番)のゴールで2-0

[11.11 選手権静岡県予選 浜松開誠館高 4-0 藤枝明誠高 草薙陸]

「早い段階で点が獲れてよかった。今日の試合は接戦になることを覚悟していましたが、その中で選手が相手を良く把握をして、流れを見極めてくれました」。

 試合後、浜松開誠館高の青嶋文明監督がこう話したように、選手権静岡県予選準決勝の浜松開誠館対藤枝明誠高戦は、テンポ良く得点を重ねた浜松開誠館が4-0の快勝を収めた。

 試合は前半で早くも動いた。11分、セットプレーの崩れからDF市川侑生(3年)の右からのクロスを中央でCB山田梨功(3年)がヘッドで合わせ、浜松開誠館が先制に成功した。

 その後も山田と吉田真那斗(2年)のCBコンビ、アンカーの川畑陸(3年)のパスを中心に、最終ラインから組み立てて行く浜松開誠館がペースを握ると、40分、DF児玉拓朗(3年)の左からのクロスを、FW弓場堅真(3年)がヘッドで押し込んで追加点。浜松開誠館が2点をリードして前半を折り返した。

 後半に入っても試合のペースは変わらなかった。藤枝明誠は前線のFW松村亮治(3年)を軸に、MF平山湧喜(3年)、右MFの松井拓海(2年)が積極的に絡んで崩しに掛かるが、この試合では連携が微妙にズレ、相手に有効打を与えられなかった。

 そして37分、左サイドコーナー付近で浜松開誠館のMF久保龍太郎がDFを背にしながらボールをキープする。だが、次の瞬間に鋭い反転でDF2人を置き去りにして中へ。FW岡島温希(3年)に預けると、岡島の折り返しを川畑が豪快に蹴り込んだ。試合を決定付ける3点目で勝負は決した。39分にも弓場がこの日2点目となるゴールを決め、4-0でタイムアップ。浜松開誠館が2年ぶりの決勝進出を果たした。

 青嶋監督は「一昨年に決勝で悔しい想いをしている。あの時は準決勝から決勝までの一週間でいろいろ注目される分、チームとしてふわふわした状態で決勝に臨んでしまった。今年はその経験を活かして、万全の状態で臨みたい。あくまで我々は泥臭く勝ち切ることを大切にしていますから」。

 浜松開誠館はこれまでインターハイ、選手権を含めて一度も全国に出たことがない。決勝に勝つことは即ち、チームの新たな歴史を刻むこと。2年前は決勝で藤枝明誠に2-3で敗れて涙を飲んだが、準決勝でそのリベンジを果たした。今回こそ、嬉し涙を。『破天荒』がチームスローガンの浜松開誠館は、ずっと閉ざされた全国への扉を全員でこじ開ける。

(取材・文 安藤隆人)
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