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清水桜が丘の猛攻を粘り強い守備で封じた静岡学園が1-0で決勝進出!:静岡

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静岡学園高CB江口正太郎(右)が清水桜が丘高FW松永颯太の抜け出しを阻止

[11.11 選手権静岡県予選準決勝 清水桜が丘高 0-1 静岡学園高 草薙陸]

 まさに白熱の一戦だった。静岡学園高清水桜が丘高との名門対決は、ハイレベルな静岡県の予選を象徴するような1点を争う好ゲームとなった。

 前半は両チームの良さがそれぞれ出たがっぷり四つの展開となった。ドリブルとパスを融合させて切り崩す静岡学園と、ミドルパスを組み入れながらサイドから崩して行く清水桜が丘。立ち上がりから双方が持ち味を発揮したことで、試合は常にボールがそれぞれのゴール前まで行き交う激しい攻防戦となった。

 先制したのは静岡学園だった。前半13分、右MF松井温人(3年)のドリブルから右CKを得ると、MF浅倉廉(2年)のキックをニアでFW塩浜遼(3年)がヘッドで合わせた。

 だが、この1点によって火が点いたのは清水桜が丘の方だった。松永颯太(2年)と加藤維吹(3年)の2トップがより前線に張り出すと、右MFの八木亮太(3年)が効果的な仕掛けを何度も繰り出す。さらにCBの川口慶祐(3年)も果敢に前に出て来るなど、清水桜が丘が強烈な前への圧力を繰り出して来た。

 15分、右サイドを八木が突破してマイナスの折り返し。これを左MF古長谷千博(2年)が強烈なシュートを放つが、静岡学園はボランチの清水綾馬(3年)が身体を張ってブロック。19分にはボランチの村上太一(2年)のスルーパスに松永が抜け出すが、シュートを今度は静岡学園CB江口正太郎(3年)がスライディングブロック。20分、古長谷が左からドリブルを仕掛け、グラウンダーのクロスに松永が合わせるが、これはGK正面を突いた。

 そして、23分にはボランチの築地健人(3年)がカットインから強烈なシュート。これは静岡学園GK木佐貫峻矢(3年)がファインセーブ。怒濤の猛攻を仕掛ける清水桜が丘に対し、静岡学園は文字通り身体を張った守備で弾き返した。

 後半に入ってからも清水桜が丘の圧力は緩まない。だが、静岡学園の守備の集中力も切れなかった。「守備だ!守備だ!」。ベンチから川口修監督が何度も声を挙げると、それに呼応するかのように静岡学園イレブンの守備への意識は高まった。

 清水桜が丘の猛攻と静岡学園の粘り強い守備。共に割り切った勝負に出た図式となった戦いは、試合終盤になってもヒリヒリするバトルを見せた。後半36分、清水桜が丘は加藤が強烈なミドルシュートを放つが、これをGK木佐貫がまたしてもビッグセーブ。38分には再び加藤が強烈なシュートを放つが、これは滑り込んで来た清水が身体を張ってブロック。そのこぼれをもう一度加藤が狙うが、GK木佐貫がタイミング良く飛び込んで、至近距離からボールをがっちりキャッチした。

 そして、図式は変わらぬままだったが、スコアも1-0のまま変わらなかった。静岡学園が清水桜が丘を振り切る形で2年連続の決勝進出を果たした。

「桜が丘さんのプレッシャーがかなり凄かった。これまでJユースなどとも戦いましたが、今年一番と言って良いくらい凄かった。この強烈なプレスをここで味わえたことは、決勝に向けてプラスだと思う」。

 川口監督が語ったように、静岡学園の本来のサッカーではなかったが、決勝の相手となる浜松開誠館高も前線からのプレスを得意とするチーム。準決勝で『免疫』をしっかりと付けることが出来たことはポジティブな要素だった。

「決勝では耐えるところは耐えながらも、しっかりと攻め切るところは攻め切りたい」(清水)。清水桜が丘戦の経験を決勝に生かすべく、守備の意識の中に静岡学園らしさを散りばめたサッカーを披露する。

(取材・文 安藤隆人)
●【特設】高校選手権2018

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