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代表デビュー戦で思わぬトラブル…シュミット・ダニエル「緊張せずにすむかなと」

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A代表デビューを飾ったGKシュミット・ダニエル

[11.16 キリンチャレンジカップ 日本1-1ベネズエラ 大分]

 日本代表GKシュミット・ダニエルのA代表デビューは、思わぬ波乱で始まった。試合当日に先発出場を告げられ、大分スポーツ公園総合競技場へと向かったは良いものの、選手バスが大渋滞に巻き込まれて立ち往生。パトカーに先導されつつ約50分遅れで到着すると、ウォーミングアップも満足にできないままピッチに立つこととなった。

「アジアカップの前に1試合経験してから行くのと、ゼロ試合の状態で行くのは全然違うので、『来い!』と思っていた」。9月合宿から続けて招集され、3度目でようやく掴んだ出場機会。「思ったより早かった」という197cmの長身GKだが、突然のトラブルにも動揺はなかった。

 大渋滞の車内では「そっちに気を持っていかれて緊張せずにすむかなと思っていた」と冷静に到着を待ったといい、「入りからガチガチに緊張したわけではなかったので、“あっても良かった”アクシデント、という感じです」と笑顔で回顧。キックオフ直後からハイボールに飛び出す姿を見せ、「相手が嫌がっていたので、(長身の)特長を出せて良かった」と振り返った。

 また、森保一監督が就任当初から求めてきたビルドアップへの関与も高いレベルでこなしていた。味方からのバックパスをPA内で受けると、相手のプレスに惑わされることなく、最前線のFW大迫勇也に矢のようなピンポイントフィードを次々と供給。「成功か失敗か、収まり方で見栄えが変わる。助けられた」とエースを称えることも忘れなかったが、「いつものリーグ戦より上手くいったと思う」と照れ笑いを見せた。

 唯一の失点となったPKは「止めたら結構なヒーローになれたと思うけど、チャンスが来た時にゼロに抑えられれば」と次なる課題。大きな一歩を踏み出した初陣を「結果として引き分けになったし、あまりゴールを守る機会がなかったので、GKとしての見方はしづらい。だけど、落ち着いたプレーをできた場面でも多かったし、悲観する内容ではなかったと思う」と総括した。

(取材・文 竹内達也)

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