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咄嗟に出た“禁断プレー”で決勝点!国士舘MF濱部「決まったので良かった」

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前半37分、決勝点を決めた国士舘高MF濱部響乃介(中央)が祝福に応える

[11.17 選手権東京都Aブロック予選決勝 大成高 0-1 国士舘高 駒沢陸上競技場]

 国士舘高を15年ぶりの優勝へ導く決勝点は、分析と咄嗟に出た“禁断のプレー”によってもたらされた。

 前半37分、国士舘は高精度の右足を持つ左SB菊地駿斗(3年)が左CKを蹴り込む。ニアに飛び込んだMF濱部響乃介(3年)が右足アウトサイドで合わせると、ボールはニアサイドを破り、先制点となった。

 菊地と濱部は、大成高のGKがセットプレーで思い切り良く飛び出してくることを確認。前目にポジションを取ってキャッチング、パンチングしてくる相手GKの逆を突く形でニアサイドへのCKを狙い、見事にゴールを奪い取った。

 このシーンで濱部は咄嗟に“禁止されているプレー”を実行していた。「ああいうのをやってよく監督に怒られます。たまたま決まったので良かったです」と濱部。ついつい多用してしまうヒールキックは、上野晃慈監督から禁止されているプレーで「試合前も『きょう、ヒールキックやったら即交代するからな』と言われていました」と微笑む。

 だが、咄嗟の判断で放った“ヒールショット”のような一撃が優勝ゴールに。もちろん、“禁断プレー“へのお咎めはなく、先制点後も中盤のバランサーとしての役割を果たし続けた濱部は、後半37分まで出場して優勝に貢献した。

「選手権は何もできていなかった。(ボランチでコンビを組む長谷川)翔が色々なことをやっていたので刺激を受けていた」という濱部が大仕事。チームを全国に導くことで幸運を使い果たしていないか不安がっていたが、輝くのはまだまだこれからだ。

「まずは1試合目を勝って新しい歴史を刻めたら」という選手権全国大会でもチームの勝利に貢献し、「本当に自分たちの代は仲が良い」という仲間たちとまた喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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