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[MOM2717]駒澤大高DF齋藤我空(3年)_「大人になった」主将が感謝の思い込めて決勝点!

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前半26分、駒澤大高CB齋藤我空主将(右)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.17 選手権東京都Bブロック予選決勝 帝京高 1-2 駒澤大高 駒沢陸]

 2年ぶりとなる全国出場が決まると、駒澤大高のCB齋藤我空主将(3年)は満面の笑顔でチームメート一人ひとりに駆け寄り、ジャンプして抱擁。「めっちゃ嬉しかった」という感情を身体全身で表現していた。

 リーダーはこの日、帝京高の超大型FW赤井裕貴(3年)とエアバトルを繰り広げ、特に後半は押し込まれる中で集中力を切らさずにその攻撃を跳ね返し続けた。攻略困難な“赤い壁”と化していたCBは、前半26分に決めた決勝点、リーダーシップ含めて抜群の存在感。大野祥司監督も「大人になったかなと思いますね」と頷き、彼をマン・オブ・ザ・マッチに推した。

 東京屈指のエアバトラーであり、対人の強さとスピードも兼ね備える齋藤は、入学直後から駒大高のレギュラーを獲得。6月の関東大会では優勝に貢献し、自身も1年生ながら大会優秀選手に選出された。同年の選手権では全国ベスト8。最高学年になった今年は柱、リーダーとして駒大高を牽引してきた。

 ただし、本人も自認するアツくなりすぎてしまう性格は、時にチームの雰囲気を重くしてしまうことも。昨年12月の横山杯では、試合中に味方選手と容赦なく言葉をぶつけ合ってしまい、主審からレッドカードを受けてしまった。チームに迷惑をかけた一件は変化するきっかけに。「大野先生によく、『人間的に大人になれ』と言われていて、そこは自分、本当に足りない部分だと思ったので、心掛けて改善するようにして成長できたと思っています」と苦笑する。

 勝ちたいという気持ち、変わらなければならないという気持ちの両方を強く持ったリーダーはその後、苦しい戦いを経験しながら変化。指揮官は今大会の準々決勝・國學院久我山高戦前に齋藤の変化を象徴するシーンがあったことを明かしてくれた。

「(齋藤が他の選手を前に)『実は怖い』と。『久我山は強いし、ここで負けたら不安だ』と。弱さを自分から出したんですね。これ、人間的に良くなっているな。大したものだと思いました」。本人はその際の心情について、「みんな硬いところがあったので、正直に自分の本音をぶつけたほうがいいと思った」と振り返っていたが、主将の本音を聞き、自分たちの全力を出して80分間戦った駒大高はインターハイ全国16強の強敵を飲み込み、勝利した。
 
 駿台学園高との準決勝は、PK戦で彼が失敗しながらも辛勝。大野監督は「謙虚さ、感謝を分かった上で決勝に入ったので、あの2点目に繋がったと思います」と分析していたが、「自分を決勝戦に連れて行ってもらった。次は自分の番だという気持ち」で臨んだ齋藤は決勝点となるゴールを引き寄せ、笑顔の優勝を果たした。

 齋藤は2年前、全国ベスト8入りに貢献し、自身の評価も高めた。ただし、それはコンビを組んでいたCB佐藤瑶大(現明治大)のおかげだったと考えている。「瑶大さんの力を借りて自分はあそこまで行けたと思っているし、自分の力で行ったとはこれっぽっちも思っていないので。今年は最高学年になって、キャプテンとして成長したところを見せたい」。あの選手権後は結果が出ずに苦しい日々。その中でリーダーとして「大人になった」齋藤が謙虚さと感謝の思いを持って全国に臨み、チームメートたちとともに勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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