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小湊新監督の“人間教育”産業能率大が明治学院大を圧倒して4年ぶり関東2部復帰

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産業能率大が4年ぶり関東2部へ

[11.17 昇格決定戦 明治学院大0-2産業能率大 埼玉スタジアム第3グラウンド]

 関東リーグへの昇格決定戦が17日に埼玉スタジアム第3グラウンドで行われ、産業能率大明治学院大を2-0で下して、4年ぶりとなる関東2部への昇格を決めた。

 序盤から主導権を握り続けた。前半18分のDF山崎広大(1年=前橋育英高)のミドルや同22分のMF新井泰貴(3年=湘南ユース)のロングシュートはわずかに枠を捉えなかったが、明学大のゴールに迫り続ける。

 すると前半32分、ついにスコアが動く。右サイドで獲得したCKからゴール前で混戦が生まれると、ファーにいたFW吉田息吹(3年=仙台ユース)が押し込み先制点を奪った。

 先制後、そして1点リードで折り返した後半も、産能大のペースは変わらない。そして後半36分、FW土田聖也(3年=平塚学園高)のシュートの跳ね返りに詰めたFW佐藤尚輝(4年=湘南ユース)がGK松田健太郎(4年=習志野高)に倒される。これで得たPKを佐藤自らが沈め、勝利を決定づけた。産能大のシュート数は前半11本、後半12本。内容面でも明学大を圧倒し、4年ぶりの関東リーグ昇格を決めた。

 産能大は加藤望氏が柏レイソルのコーチに就任した関係で、今季より小湊隆延氏が監督に就任。昨季まで湘南ベルマーレのコーチを務めていた同氏が、提携関係にある産能大に派遣されてきた。プロ選手としての経験はない同氏だが、AC長野パルセイロの前身の長野エルザで監督を経験。しかし大学生を指導するのは今回が初めてだった。

 そこで取り組んだのが人間教育。「サッカー面で言えば、湘南から派遣されているので、チョウ(・キジェ)監督のやっているサッカーをしっかり伝えることだと思うけど、全員がプロになれるわけではないので、そういうところにしっかり向き合える人間に育てたい」。サッカーはあくまでもその後の人生に繋がるもの。「一生懸命やることが、サッカーだけじゃない夢に繋がっているから、その努力は無駄にならないよ、と。3歩くらい下がっちゃう日もあるかもしれないけど、また次の日に一歩を踏み出せば、きっと未来は明るいよと話しています」。

 一昨年は昇格決定戦で日本大に敗れた。昨年は参入戦に進むことも出来なかった。注目FWの小松蓮も松本に入団するなど、難しい状況だったが、小湊監督は1年目でしっかりと任務を遂行した。関東2部ではさらにレベルの高い争いが繰り広げられることになるが、「今年1年やってきたチャレンジ精神を関東2部でどれだけできるか。臆せず、チャレンジすることが大事なのかなと思います」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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