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自問自答し、「成長できる」横浜FC入りを決断。FW草野の目標は3年以内に得点王

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横浜FCでの活躍を誓う阪南大FW草野侑己(右から2人目)と横浜FC・服部健二GM(右端)、阪南大・須佐徹太郎監督(右から3人目)、そして横浜FCの増田功作強化スカウト担当ダイレクター

 来季から横浜FCに加入する阪南大FW草野侑己(4年=JFAアカデミー福島)の内定会見が28日、大阪府松原市の阪南大キャンパスで行われた。草野は「プロ1年目から試合に出るのは絶対条件。僕の特徴は点を獲ることなので、二桁得点を狙いたい。3年以内には得点王も獲りたい」と意欲を話した。

 会見には阪南大の須佐徹太郎監督と横浜FCの服部健二GM、増田功作強化スカウト担当ダイレクターも出席。須佐監督は、「テクニックがある選手だと思っていたけど、獲ってみたら意外とスピードがあることに気付いた。後ろからのボールを引き出す力が高く、時折スーパーショットを決めてくれる。得点の確率が上がれば、上で通用する選手になると思う」とセールスポイントを紹介。今年1年間、草野の動向を追いかけ、獲得を決断した横浜FCは、「得点を獲ることに特質している選手は少ない。草野のような選手が、どれほど点が獲れるか楽しみ。ストロングを持った選手は少ないので、1年目から二桁得点にチャレンジして欲しい」と服部GMが期待を口にした。

 8月には阪南大の関東遠征で、横浜FCと対戦。1ゴールをマークし、「僕の特徴である背後への動き出しは通用すると感じた」(草野)。11月には、1泊2日の日程で練習にも参加し、「僕は周りに活かしてもらうタイプ。これから、どんどんコミュニケーションとっていけば、十分やれる手応えを掴んだ」。先輩選手とも積極的に話しかけた草野は、「カズさんからプロとして人としてどうあるべきか学べるチャンス。引かれるくらいドンドン話しかけて行きたい」との意気込みを行動に移し、FW三浦知良にも積極的に話しかけた。シャワールームで、真っ赤なバスローブを着ていたカズと遭遇し、「本物のスターだと感じた」とも明かした。

 2010年のワールドカップで目にしたMF松井大輔の存在も草野にとっては大きく、「ベテランの選手が率先していて、凄く雰囲気が良いチームだった。このチームに行けば成長できると感じた」。そして、「大きな決断をする時は自問自答する。今回も『横浜FCさんにお世話になろうと思っているけど、どう思う?』と僕の中にいるリトル草野に聞いたら、『ぜひ行け。三浦カズさんや松井大輔選手など素晴らしい選手がいるから成長できる』と言われた」と入団に至った経緯を明かした。

 阪南大の1年目はAチームに絡めず、「腐りかけた時期もあった」。2年目は、FW前田央樹(現J3北九州)の代役として出場機会を掴んだが、3年目は肩を脱臼し、半年間試合から離れた。「まともにサッカー出来たのは4回生の時だけ。大学サッカーを振り返ってみると、良いことも悪いことも含めて経験したけど、大学での経験がなければ今の僕はない」。

 今年は夏の総理大臣杯には出場したが、関西学生リーグは6位に終わり、インカレ切符を逃がした。狙っていた得点王も、リーグ2位の21得点。悔いが残る大学生活最後の1年になったが、「力不足だと感じたけど、まだJリーグで得点王にチャレンジする機会を貰えた。僕が獲れなかった個人タイトルと横浜FCの勝利のために、一つでも多くのゴールを奪いたい」と話すように悔しさをプロで活躍する力に変えるつもりだ。

(取材・文 森田将義、取材協力=阪南大)

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