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ジャーメイン1G2A!! 大熱戦のダービー制した仙台、初の天皇杯決勝へ

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ベガルタ仙台が初の天皇杯決勝進出を決めた

[12.5 天皇杯準決勝 仙台3-2山形 ユアスタ]

 第98回天皇杯は5日、準決勝が行われ、ユアテックスタジアム仙台でベガルタ仙台(J1)とモンテディオ山形(J2)が対戦した。FWジャーメイン良が1ゴール2アシストを記録した仙台が3-2で競り勝ち、初の決勝進出を果たした。山形はFW阪野豊史が2得点を挙げたが、惜しくも及ばなかった。

 奥羽山脈を挟んで隣り合う宮城、山形両県にホームタウンを置くクラブ同士の激突。1999年のJリーグ参入以来、“みちのくダービー”として熱い戦いが繰り広げられており、この一戦で38回目を数えた。天皇杯での対戦は史上初。決勝の晴れ舞台を懸け、平日ナイトゲームに16604人のサポーターがスタンドを埋め尽くした。

 仙台は1日のJ1最終節・神戸戦(●2-3)から先発3人を変更。MF矢島慎也、MF中野嘉大、MF椎橋慧也が入った。対する山形は11月17日のJ2最終節・大分戦(△1-1)から18日間の空白期間があった。先発4人を入れ替え、GK児玉剛、DF栗山直樹、DF山田拓巳、MF安西海斗が新たに並んだ。[スタメン&布陣はコチラ]

 前半は壮絶な点の取り合いが繰り広げられた。14分、左サイドを駆け上がった中野が低いクロスを送ると、1トップのジャーメインが豪快な左足ボレーでネットに突き刺した。さらに18分、ジャーメインのポストから矢島がミドルシュートを決め、早々に2点のリードを奪った。

 なかなか攻め手のない山形は前半30分、ゴール左斜め前からのFKを安西がゴール前に送り込んだが、日本代表GKシュミット・ダニエルがキャッチ。それでも同33分、ロングフィードが右サイドに通ると、バックパスを受けたDF熊本雄太が左足でアーリークロスを送り、阪野のヘッドで1点を返した。

 ところが仙台も得意のセットプレーで突き放す。前半36分、矢島が左CKをファーサイドに送り込むと、ジャーメインがヘッドで落とし、これに合わせたのはDF平岡康裕。ダイレクトで落ち着いて流し込み、再びリードは2点に広がった。同43分には椎橋とFW南秀仁が交錯し、プレーが一時中断した。

 このままハーフタイムを迎えるかと思われたが、前半44分に山形が1点を返す。敵陣からのフィードをDF坂井達弥がヘディングで競り勝ち、浮き球を受けた南がそのままヘッドでフリック。これに反応した阪野がフリーで抜け出すと、落ち着いたループシュートでゴールマウスに流し込んだ。

 後半は山形がさらに勢いを増し、一気に攻勢にかかる。5分、右サイドでの崩しから小林が抜け出し、シュート性のクロスがバーをかすめたが、惜しくもファーサイドへ。6分には再び右サイドからのクロスが仙台ゴール前を襲うも、シュミット・ダニエルを中心とした守備陣がなんとか防いだ。

 山形は後半17分、安西に代わってMF汰木康也を投入。直後の同18分、DF三鬼海のクロスのこぼれ球を拾った山田が強烈なミドルボレーを狙ったが、惜しくも左上に外れた。仙台は同20分、古林に代わってMF関口訓充、同25分には1ゴール2アシストのジャーメインに代わってFW阿部拓馬を投入した。

 山形は後半27分、山田に代わってFW中村仁斗を入れて攻勢を強めると、すかさず仙台は矢島に代わってMF富田晋伍を起用。山形は同36分、中盤でボールを奪った汰木がロングドリブルで攻め込み、PA左から狙ったが仙台守備陣がブロック。同37分には左CKから阪野が狙うもシュミット・ダニエルに阻まれた。

 なおも攻め続ける山形は後半37分、南に代わってFWアルヴァロ・ロドリゲスを投入。同38分には熊本のクロスに中山がボレーで合わせたが、これも仙台守備陣に防がれた。その後も汰木、A・ロドリゲスの左サイドから攻めこむシーンをつくるも猛攻は実らず。決勝でG大阪に敗れた2014年大会以来、4年ぶりのファイナル行きはならなかった。

(取材・文 竹内達也)
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