beacon

小川航基PK弾から2発の磐田、意地のJ1残留!! 東京Vは11年ぶり昇格ならず

このエントリーをはてなブックマークに追加

磐田がJ1の座を守った

[12.8 J1参入プレーオフ決定戦 磐田2-0東京V ヤマハ]

 J1参入プレーオフは8日、ヤマハスタジアムで決定戦を行い、ジュビロ磐田東京ヴェルディに2-0で勝利した。前半41分、先発起用に応えたFW小川航基のPK弾で先制し、後半35分にMF田口泰士が直接FK弾。J2リーグ6位からプレーオフを2連勝した東京Vの“下克上”を退け、J1の座を死守した。

 1回戦、2回戦、決定戦で行われるJ1参入プレーオフは今季始まった制度。11月25日の1回戦ではJ2リーグ6位の東京Vが同5位の大宮に1-0で勝利。2日の2回戦も同3位の横浜FCを1-0で下し、J1リーグ16位への挑戦権を得た。なお、90分間で引き分けの場合はJ1チームの残留が決まる。

 1日のJ1最終節で磐田は川崎Fに引き分け以上で残留を確定できた。1-1で後半アディショナルタイムに突入したが、残り30秒で決勝点を献上。勝ち点「41」で5チームが並ぶと、得失点差で下回り、13位から一気に16位に転落。最悪の幕切れでプレーオフに回った。

 磐田は最終節から先発2人を変更し、右膝の大怪我から復帰したMFアダイウトンが8か月ぶりに先発。また、今季は先発4試合出場のF21歳W小川航が大一番でスタメンに入り、MF中村俊輔とFW川又堅碁はベンチスタートとなった。

 一方、東京Vも先発2人を変更。横浜FC戦で決勝点を挙げたFWドウグラス・ヴィエイラが先発し、3-4-2-1の最前線に入った。MF渡辺皓太はベンチスタートとなり、MF梶川諒太がスタメンに入った。[スタメン&布陣はコチラ]

 互いに激しい球際の攻防が展開される中、東京Vのプレスを外して徐々に磐田が攻勢を強めた。前半15分、アダイウトンが左サイドをドリブルで突破すると、深い位置でDF奈良輪雄太が体を入れて対応したが、アダイウトンは巧みに体勢を変えてマイナス方向にパス。これを受けたFW大久保嘉人が右足ミドルで狙ったが、ゴール左に外れた。

 磐田の出足鋭いプレスに襲われた東京Vはビルドアップを阻まれ、なかなかボールを保持できない。磐田は前半21分にチャンスを迎え、田口のパスを受けた大久保が左後方から浮き球パス。小川航には合わなかったが、斜めに走り込んだMF山田大記がPA内左の位置からシュート。これはGK上福元直人が至近距離で防いだが、自力で上回る磐田の猛攻は実った。

 前半40分、山田の絶妙なスルーパスで抜け出した小川航がGK上福元に倒され、PKのチャンスを獲得する。キッカーは小川航。右足で冷静にGKの逆を突き、ゴール左下隅に沈めた。21歳ストライカーが名波浩監督の抜擢に応える貴重な先制点。引き分けでも勝利が決まる磐田にとって大きな1点となった。

 対する東京Vは昇格に2点が必要な状況に陥り、後半開始と同時に交代カードを切る。梶川に代えてMF渡辺皓太、ドウグラス・ヴィエイラに代えてFWレアンドロを投入した。磐田は後半2分、山田が右後方からFKを蹴り込み、競り合いのこぼれ球を小川航が狙ったが、決めきれなかった。

 東京Vはカウンターからゴールに迫ろうとするがなかなか決定機を作れず、後半19分に最後の交代枠を使い、奈良輪に代わってMF李栄直を投入。中盤をダイヤモンドにした4-4-2にシステムを変え、最後の反撃に出る。後半20分、MF佐藤優平が右後方から蹴り込んだFKをFW林陵平が頭で落とし、PA内右のレアンドロが決定的なシュートを放ったが、GKカミンスキーのファインセーブに阻まれた。

 磐田も前がかりになった相手の裏を突いて鋭いカウンターを仕掛け、後半31分にはアダイウトンの突破を起点に小川航からパスを受けた大久保がドリブルで独走し、PA内右から右足シュート。決定的な形だったが、これは上福元が阻んだ。それでも後半33分、PA右手前の位置でFKを獲得。キッカーの田口が狙ったシュートは壁の間を抜いて見事にゴール左隅に突き刺さり、勝負あり。東京Vは反撃及ばず、0-2で敗戦。創設50周年を迎える名門の11年ぶりJ1復帰は叶わず、来季もJ2でシーズンを迎える。

(取材・文 佐藤亜希子)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2018シーズンJリーグ特集ページ
●2018J1参入プレーオフ特設ページ

TOP