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名波監督「負けたら辞めるつもりでいた」J1残留も進退明言せず

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磐田をJ1残留に導いた名波浩監督

[12.8 J1参入プレーオフ決定戦 磐田2-0東京V ヤマハ]

 ジュビロ磐田は一週間前の“悪夢”から立て直し、J1の座を死守した。試合後、記者会見に臨んだ名波浩監督は「質問はなしということでお願いします」と切り出し、終始険しい表情を崩さなかった。

 周囲の雑音をシャットアウトし、プレーオフ決定戦前は4日連続で非公開練習を行った。東京Vの戦術を徹底的に分析したうえで4バックを選択。先発2人を入れ替えた理由については、FW川又堅碁は右足が思わしくない状態、MF中村俊輔は捻挫をしたことを明かすと、「僕が怪我をして昨日まで松葉杖だった」とも付け加えた。

 采配は当たった。大一番の起用に応える21歳FW小川航基のPK弾で先制に成功し、主導権を譲らなかった。連動したプレッシングで相手のパス回しを寸断し、パスコースを限定させ、アグレッシブな守備から攻撃のリズムをつかんだ。前半は相手をシュート0本に抑えると、後半のシュート2本はいずれも“天敵”FWレアンドロに打たれたが、疲労が見えた後半も地力で上回り、MF田口泰士のFK弾で残留は決まった。

「エクストラのこの1試合は十分に想定の範囲内ではあった。ただ、チームとして必要のない1試合だったのは確か」。1日の最終節川崎F戦は引き分け以上でJ1残留を決められたが、後半アディショナルタイム残り30秒で決勝点を献上。得失点差で下回った磐田は13位から16位に転落する悪夢を見た。

「その時の感覚は、個人的にも選手たちも一生忘れないと思う」。名波監督は2014年9月末に就任。同年のJ1昇格プレーオフ準決勝山形戦も引き分け以上で決勝に進めたが、後半アディショナルタイムにGK山岸範宏に劇的決勝ゴールを許した。その当時と対比しても、「あの何十倍、何百倍も引きずった日曜、月曜だったんじゃないかな」とショックは遥かに大きかったようだ。

 最後は自身の進退について自ら言及し、「正直、今話せることはないかなと。負けたら間違いなく辞めるつもりでいました」と吐露。「少し時間をもらえれば。このゲームに至った責任はすべて僕にあることは事実なので」と含みを持たせた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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