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全カテゴリ最多の4050分出場…東京Vの鉄人コンビが向き合う『J1との差』

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東京ヴェルディのDF井林章とGK上福元直人

[12.8 J1参入プレーオフ決定戦 磐田2-0東京V ヤマハ]

 いったい何が足りなかったのか。J2リーグ6位から劇的な展開でJ1参入プレーオフを勝ち抜いてきた東京ヴェルディだったが、最終決戦ではJ1リーグを16位で終えたジュビロ磐田の前に散った。選手たちは一様に「力不足だった」と振り返ったが、今季フルタイム出場の守備陣の受け止め方を聞いた。

 今季のJ2で出場時間が3780分、すなわち全42試合にフルタイム出場していた選手はわずか6人しかいない。うち2人は東京V所属。GK上福元直人とDF井林章だ。J2は他カテゴリより試合数が多く、2人はプレーオフ3試合でも計270分にフルタイム出場したため、日本で最も長くリーグ戦に出場していた選手ということになる。

 ロティーナ体制2年目の今季、レギュラーシーズンの順位は昨季から1つ下げた6位に終わったが、戦術の浸透度合いは深まった。引き分け、負けに終わった試合の後でも「やるべきことは変わらない」という言葉が多くの選手から聞かれ、J1参入プレーオフを1-0というスコアで2連勝し、自信の裏付けも見せてきた。

 だが、最後はJ1クラブの壁に屈した。「ゴール前での圧力を感じた。失敗するしないはあるけど、嫌なところにボールを入れてくるし、点を取ろうとする動きや連動性はJ2より上」。そう振り返ったのは井林。逆に「ゴール前にかけられる人数が少ないし、嫌なところにいる選手が少ない」東京Vはこの日、シュート2本に終わった。

 2失点を喫した上福元は「責任を感じている」と自らで敗責を担いつつ、チーム全体を俯瞰して次のように述べた。「プレスの勢いを強めたまま連続してできるのがJ1。J2は一度ミスしてもそこから修正すれば相手を上回れるけど、味わったことがないくらい継続して質の高いプレッシャーをかけてきていた」。

「自分たちはここまでくる確かな力があった」ことは示したが、「一個上に行くような力が残念ながらなかった」(上福元)という距離感も分かった。ならば来季こそ——。「自分たちが感じた部分を意識してトレーニングするしかないし、クオリティーを上げることをやっていくしかない」。2年連続で到達したプレーオフの舞台、その先に進んでいくべき道筋はすでに見えているようだ。

(取材・文 竹内達也)
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