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選手もサポも“オズの魔法”に…槙野「この試合の重みを伝えてくれた」

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天皇杯を掲げるオズワルド・オリヴェイラ監督

[12.9 天皇杯決勝 浦和1-0仙台 埼玉]

 アジアの舞台に戻るためにも負けられない一戦だった。昨年のACL王者である浦和レッズが2年ぶりのACL出場権を獲得。DF槙野智章は「リーグ戦で目標に掲げていたACL(出場権獲得)が叶わなかった。今年は監督も代行を含めて3人目。苦しみながらもシーズン終盤は目標も天皇杯を取ろうと定まった。監督も『天皇杯を取ってアジアの舞台に帰りたい』と言っていた。それが叶って本当に良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 埼玉スタジアムで行われた決勝には5万978人の観衆が詰めかけた。ホームの雰囲気をつくり出した浦和サポーターの存在に「12番目の選手が素晴らしかった」と感謝した槙野だが、サポーターから強力な後押しを引き出したのが、かつて鹿島でリーグ3連覇を成し遂げたオズワルド・オリヴェイラ監督だった。

 通常、試合2日前から非公開練習とする浦和だが、オリヴェイラ監督は準決勝前日に続いて決勝前日も練習を公開。サポーターに来場を呼びかけると、練習場に詰めかけた大勢のサポーターが旗を振り、歌声をあげた。「朝の6時から横断幕を掲げてくれて、歌を歌ってくれて、この試合の重みを伝えてくれた」と槙野。「ブラジルではよくやっていたと言っていた」という“オズの魔法”がチームの一体感を高め、決戦に向けて最高のモチベーションをつくり出した。

 来季のACLでは北京国安(中国)、全北現代(韓国)、元浦和MF細貝萌が加入するブリーラム・ユナイテッド(タイ)と同じグループGに入る。槙野は「僕らは17年のアジアチャンピオン。もう一回返り咲くためにもチャレンジャーの気持ちでやらないといけない」と、クラブとして2年ぶり3度目のアジア制覇に挑戦する決意を述べた。

(取材・文 西山紘平)

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