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[MOM588]法政大MF森俊貴(3年)_「すぐに交代させられた」あの日…狙うはWリベンジ

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法政大MF森俊貴(3年=栃木ユース)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.15 インカレ2回戦 新潟医療福祉大2-3法政大 浦安]

 スタートはベンチだった。しかし、「途中から行くぞ」と指示を受けていた法政大(関東3)MF森俊貴(3年=栃木ユース)はしっかりと試合に入っていた。そして、ついに出番が訪れる。スコアは1-2。1点のビハインドを背負って迎えた後半21分だった。

 逆転勝利へと導く結果を残せば自身の価値を高める状況だったが、「自分で決めてやるという気持ちではなかった」と気負いはなく、「自分が出て、仲間の100パーセントを引き出せるような声掛けやサポートをしようと思った」との姿勢でピッチへと向かう。長山一也監督が「彼は間で受けたり、背後も狙える。それを出し手と受け手が合わせてしっかりやってくれた」と振り返ったように、森が効果的にボールに絡んだチームは徐々に流れを引き寄せていく。

 そして、試合を振り出しに戻す得点を演出したのが、その森だった。左サイドからPA内に切れ込むと相手選手のファウルを誘ってPKを獲得。このPKをFW上田綺世(2年=鹿島学園高)がきっちり沈めて試合を振り出しに戻した。「運が良かったという感じ」と謙遜したが、「監督から『ドンドン仕掛けろ』と言われていた。何回も仕掛けた結果がPK獲得につながった」と積極的な姿勢が同点ゴールをもたらした。

 さらに後半40分には大仕事をやってのける。MF大西遼太郎(3年=磐田U-18)がドリブルで中央を上がると、左サイドを駆け上がる。最前線には上田が走り込んでいたため、「前に綺世がいたので、遼太郎は綺世に出すかなと思った」ものの、ボールは森の元へ。フリーの状況に「結構緊張した」と苦笑したが、「落ち着いて流し込めて良かった」と左足シュートで決勝点となるゴールを陥れ、「自分が決める」という気持ちがなかった男が3-2の逆転勝利の立役者となった。

 1年前には苦い経験をしていた。昨季のインカレでチームは決勝まで駒を進め、森はスターティングメンバーの座を勝ち取った。しかし、「調子が悪くてすぐに交代させられてしまった」と0-1で迎えた後半5分に上田との交代を告げられてピッチを去った。チームも1-5で敗れて準優勝に終わったことで、今年に賭ける思いは強い。「今年は何としても去年を越えてやるという気持ちでやってきた。決勝まで行って、チームとしても、個人としてもリベンジを果たし、絶対に笑顔で終わりたい」と“Wリベンジ”を果たすべく、頂点だけを見据える。

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(取材・文 折戸岳彦)

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