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[MOM584]駒澤大MF中原輝(4年)_“内定先”の指揮官にアピール成功「自分が熊本を上げればいい」

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駒澤大の4点目を沈めたMF中原輝(4年=ルーテル学院高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.15 インカレ2回戦 桃山学院大1-4駒澤大 柏の葉]

 “内定先”への良いアピールとなった。駒澤大の攻撃の中心を担うMF中原輝(4年=ルーテル学院高)は来季から地元のロアッソ熊本に加入する予定。スタンドには渋谷洋樹監督が視察に訪れていた中、3ゴールに絡む大活躍でチームをベスト8進出に導いた。

 試合後、クールダウンのストレッチを終えた背番号10を待っていたのは来季の指揮官だった。「どうも初めまして。すごかったね」。そう言って握手を求めた渋谷監督に対し、照れくさそうに笑顔を浮かべた中原。その脇には大学3年時から注目していた筑城和人スカウトの姿もあった。

 熊本は来季からJ3リーグに降格。秋に加入を決めた中原だが、決断に至るまでには「結構悩んだ」という。だが、地元クラブの熱意が背中を押した。「筑城さんはずっと声をかけてくれていて、ずっと試合を見てくれていた。必要とされているところに行くのが大事だと考えた」と振り返る。

「試合に出ないと成長できない」との言葉どおり、カテゴリの低いクラブに進むことにはメリットもある。それは「地元だし先輩もいるので、負けているのは気持ち良くない」という身近なクラブであるならば、なおのこと。「1年で結果を残して、自分が熊本を(J2に)上げればいいだけ」と強気な姿勢でプロ生活を迎えようとしている。

 そのためにはまず、新天地で出場機会をつかむことが必要になる。大学生活最後の大会であるこのインカレは、いわば“レギュラー争いの予選”。未来の指揮官が見つめる中、大会初戦で「プロの生活は結果が求められるので、まずは結果を残すこと。そして、ファン・サポーターに愛される選手になる」ための第一歩を踏み出した。

 意気揚々と試合に入った22歳はスコアレスで迎えた前半30分、さっそく結果につながるプレーを披露した。自陣からのロングボールに抜け出すと、果敢なドリブルで右サイドをえぐってクロスを配給。これでFW安藤翼(4年=長崎総合科大附高)のゴールをアシストした。「良い時間帯に取れて良かった」。

 後半はチームが多くのチャンスを作る中、自らのシュートミスから3点目も生まれたが、これで満足せず。「外しすぎていたので決めなければならなかった」。後半38分、自身のヘディングシュートは阻まれたが、味方からのパスを受けると、「流し込むだけだった」と冷静に左足でネットを揺らした。

「それまでは自分のイメージとキックの感触が違っていた。でも、そういうところを決め切れないと上に行けない」。そんな反省の弁も飛び出したが、3得点に絡む活躍は立派なもの。また、この日の勝利によって大学サッカー生活が延び、さらなる“予選”のチャンスをつかんだ。

 次戦の準々決勝は同じく熊本内定のDF小笠原佳祐(4年=東福岡高)が在籍する筑波大戦。小笠原はチーム事情で最前線を務めており、互いに攻撃のキーマンとして対峙する。「選抜とかでも一緒にやってきたけどすごく良い選手。最後の大会で当たれるのは楽しみだし、だからこそ負けたくない」。Jリーグ内定者6人を揃えるタレント軍団を相手に、自身の存在価値を再び見せつける。

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(取材・文 竹内達也)

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