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[MOM592]法政大MF大西遼太郎(3年)_「意外なヒーロー」が2得点! 前回決勝は無念の退場、悔しさ忘れぬ“潰し役”

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準々決勝で2ゴールを決めた法政大MF大西遼太郎(磐田U-18=3年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.17 インカレ準々決勝 関西学院大1-3法政大 浦安]

 昨年のインカレ決勝では無念のレッドカード。リベンジに燃える“つぶし役”が成長の跡を見せつけた。法政大MF大西遼太郎(磐田U-18=3年)は準々決勝の関西学院大戦、同点で迎えた後半に2ゴールを挙げ、2年連続でのベスト4入りに大きく貢献。ディフェンスに持ち味を誇る選手ではあるが、この1年間で培ってきた攻撃センスが炸裂した。

 昨年12月24日、法政大は流通経済大とのインカレ決勝で1-5の大敗を喫した。2年生ながら主力の座をつかんでいた大西は、後半25分に2枚目の警告を受けて退場。「チームはそこから崩れてしまった。この大会と言えば真っ先にその思い出が蘇るし、その場面は今でも覚えている」。時間が経ったとはいえ、悔しさが薄れることはない。

 だからこそ、今大会には「同じように決勝まで行って、今度は優勝するしかない」という力強い決意で臨んでいる。サブ組を織り交ぜて臨んだ初戦の新潟医療福祉大戦はベンチスタートだったが、ハーフタイム明けからの出場で決勝点をアシスト。良いイメージを残したまま、チームにとって2試合目の準々決勝で今大会初先発を果たした。

 自身のビジョンを「まずは守備が特長なので、そこで違いを見せて『アイツめちゃくちゃ奪うな』って思われるような選手になること」と語るように、中盤センターを務める選手の中では守備に重きを置くタイプ。だが、攻撃時にはダブルボランチが前後の関係になっており、前目のポジションを担う大西は前線との絡みも積極的にこなす。

「攻撃はずっと課題だったけど、この1年間で前との関わり方は良くなってきていると思う。あまり意識はしていないけど、昨年は守備の役割がはっきりしていたのが、今年は前で関わる回数が増えてきた」と成長も自覚。この日の前半は相手のボールポゼッションに身体を寄せるなど、見慣れた持ち味を発揮する機会が多かったが、ハーフタイムが明けると成長した攻撃性が花開いた。

 まずは後半24分、中盤で前を向いた大西は縦への浮き球を預けると、前方へとランニング。ポスト役のFW松澤彰(3年=浦和ユース)からリターンを受け、PA左に走り込んだ。「ドリブルというより、球際で勝ったという感じ」。得意の球際で相手のプレスを押し切り、そのまま抜き去ると、GKの意表を突くループシュートでふわりと決めた。

 さらに後半40分、2点目はこぼれ球に飛び込む形だった。MF紺野和也(3年=武南高)の折り返しに合わせたMF青柳燎汰(4年=前橋育英高)のシュートは相手に阻まれたが、すかさず寄せてダイレクトでシュート。攻撃に絡んでいく姿勢に加え、「セカンドボールは自分の長所。こぼれ球はずっと狙っている」という守備時の経験も生かした一発だった。

「ここまで結果にこだわってきて、こういう場で決められたのは自信になった」という大西に対し、長山一也監督も「意外なヒーローが出てきた」と驚きを口にする。だが、アミノバイタル杯決勝の明治学院大戦でもゴールを決めるなど、大舞台には相性が良い。指揮官は「強い相手との結果を残すのは大事なこと」と教え子の成長に目を細めた。

 もっとも、本人は「攻撃はセンスがないので、もっと上手くなればいいけど……」とやや冷静。あくまでも守備で違いを見せたい構えだ。準決勝の順天堂大戦ではMF名古新太郎(4年/鹿島内定)とのマッチアップが予想され、攻守でキーマンとなる。「(名古は)大学ナンバーワンの選手でもあると思う。勝ちたいとは思うけど、過信はできないので粘り強く戦いたい」と控え目に意気込んだ。

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(取材・文 竹内達也)

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