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「めちゃくちゃ好きなクラブ」にプロとして戻る鹿屋体育大MF樋口、鳥栖の勝利に貢献することを誓う

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鹿屋体育大MF樋口雄太は来季、鳥栖を勝たせる活躍を誓った

[12.12 インカレ1回戦 桃山学院大 2-0 鹿屋体育大 柏の葉]

 サガン鳥栖加入内定の鹿屋体育大MF樋口雄太(4年=鳥栖U-18)にとっては、悔いの残る“大学ラストゲーム”になってしまった。右内側靭帯の負傷から2か月ぶりの公式戦。キープ力の高さや1タッチパスの精度、展開力の高さなど随所で光るプレーを見せたが、怪我の影響で本来キッカーを務めるプレースキックを蹴ることができず、試合を支配するまでのプレーもできなかった。

 先制された直後の前半31分には前線で粘ったFW根本凌(1年=上田西高)の落としに走り込むも右足シュートは枠外。得点に絡むことができず、試合も0-2で敗れる結果となった。樋口は「感覚的には全然踏み込みであったり、キックの質であったり、種類もまだまだだった。4年間やってきたので、最後の大会で最高の結果を残せるようにしたかったですけれども、残念な結果にしてしまった。申し訳ないです」。総理大臣杯で8強入りするなどポテンシャルのある鹿屋体育大に、全国準決勝や決勝戦の経験を積ませられなかったことを残念がっていた。

 樋口は4年前、鳥栖U-18からトップチームに昇格することができず、鹿屋体育大に進学。「悔しさから4年後、絶対プロになってやるという気持ちでやってきた」MFは持ち味の展開力やキックの質、それに加えて守備面でも成長を遂げてきた自負がある。

 そして、「小3から鳥栖。めちゃくちゃ好きなクラブですし、ここで活躍してクラブに恩返ししたいのがあった」というクラブへのプロ入りを勝ち取った。来年は、契約延長すると見られるFWフェルナンド・トーレスをはじめ、鳥栖の先輩たちの取り組み方、練習前からの姿勢を学んで自分のものにしていく考え。そして1年目からチームの勝利に貢献することを目指す。

 この日の試合後は、応援に駆けつけていた先輩MF松田天馬(現湘南)と話し込んでいた。甘くない世界に身を置く先輩から「大学とプロでは全然違う、と。もっともっとやらないといけないし、当たり前のことを当たり前にやるのがプロだし、それプラス自分の特長であったり磨いていくことがプロで活躍していくために必要」ということを改めて学んだ。

 小学生時代から鳥栖でプレーしてきたMFは、鳥栖サポーターの力強い後押しを受けて「あの中で活躍して鳥栖の勝利に貢献したい」という思いが強い。鹿屋体育大の後輩には大舞台でも自分たちの力を発揮し、歴史を塗り替えることを期待。一方で自分自身もプロのステージで自分の力を最大限に発揮し、結果を残してサポーターや後輩たちを勇気づける。

(取材・文 吉田太郎)

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