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中央大FW大橋祐紀は湘南、DF渡辺剛はFC東京へ…“成長”目指してJ1の舞台にいざ挑戦

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FW大橋祐紀(左)とDF渡辺剛

 4年ぶりの1部昇格を達成した中央大は今季5名のプロを輩出。その中でFW大橋祐紀(4年=八千代高)は湘南ベルマーレ、DF渡辺剛(4年=山梨学院高)はFC東京と、それぞれJ1の舞台に挑む。

 関東大学2部リーグの得点記録となる21ゴールを挙げた大橋は、特別指定選手として12月1日のJ1第34節・名古屋戦(2-2)で途中出場を果たしてJリーグデビュー。9分間と短い時間ながらも、一足先にその舞台に上がってみせた。

 今季の躍進については謙虚な姿勢を貫く大橋。「得点を奪うことが武器なのかって言われたら、Jリーグの舞台で取ってもいないのにそんなことは言えない。そこで取り続けてから自分の武器なんだなって思えたらいい」とその物差しをJリーグに合わせ、自身の持ち味は「泥臭く、貪欲なプレー」とシンプルに表現する。「自分は走ってゴールの近くにいる。当たり前のことですけど、そういうことを突き詰めていきたい」。

 湘南加入の決め手は“湘南スタイル”“縦に速いサッカー”という戦術面ではなく、「練習での全力で取り組む姿勢が良かった。自分もそこに飛び込んだら、それがアベレージになるじゃないですか。そこで成長スピードをもっと上げていきたい」と環境に惹かれたという。「目標は、当たり前ですけどまず試合に出る。それが達成できるようになったら次の目標を定めていきます」とクレバーな口調からも、静かな闘志を垣間見せた。

 FC東京U-15深川出身の渡辺は山梨学院高を経て中央大へ。184㎝の高身長で最終ラインに立ちはだかり、DF上島とともに強固な守備を構築。2部リーグ最少失点を記録し、1部昇格に華を添えた。大学入学からプロを意識し始め、入団したのはFC東京となったが、本人は古巣凱旋という意識はなかったという。

「どこが一番成長できるかって思って、最初はもっと試合に出られる可能性が高いチームの方が経験値を積めるかなって。でもキャンプなどを経験して、レベルの高いチーム、かつ試合に出られない可能性が高いチームに入って、自分を奮い立たせた方が成長につながると思ってFC東京に決めました」。あえて厳しい環境に身を置くことで、自身の心身の成長を目指すことにしていた。

 そのストイックさはあのスター選手の影響なのかもしれない。会見時の「憧れの選手」という質問に、渡辺は守備の選手ながら「クリスティアーノ・ロナウド」と回答。真意を聞くと、「誕生日が一緒で小さい頃から好きでした。大事な場面で決めるし、体つきも凄い」とその生き様に惚れ込んでいるよう。「ポジションは違うけどあの人のメンタルは本当に凄い。プロに対する姿勢とか、体も心も」とプロの“大先輩”から影響を大きく受けていた。

 自身の強みには「ヘディングは誰にも負けちゃいけないと思っています。カバーリングは見えにくいけど、自分ではすごく伸びた部分。プロでも通用すると思っています」と自信を覗かせる。湘南の大橋との同期対決は意識しているようで、「身体は強いし、一人で行けるし、得点も取れるし。なおかつ謙虚に走る続ける。強みはないって言いつつも、あいつは凄いんです」とチームメートを尊重してみせた。

(取材・文 石川祐介)
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