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中央大DF安在達弥は兄・和樹の背を追い東京V、DF上島拓巳は夢の東京五輪を目指して柏へ

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DF上島拓巳(左)とDF安在達弥

 中央大のDF安在達弥(4年=東京Vユース)は東京ヴェルディ、DF上島拓巳(4年=柏U-18)は柏レイソルと、それぞれ自らが育った古巣でのプロ生活のスタートとなった。

 今季J1参入プレーオフの決定戦まで勝ち残った東京Vだが、J1の16位・磐田に0-2で敗戦。11年ぶりの1部昇格を目前に、その夢は再びリセットされた。安在も「試合を観て、J1の強さを目の当たりにした」と悔しさを語るが、「そういう経験をした選手がチームに残ると思うんで、その経験の中でレベルアップしていくと思う。そこで自分がプレーできるのが大きい」と発奮の材料にしていた。

 安在は兄・DF安在和樹(現鳥栖)の影響でサッカーを始め、小学校3年生のときに東京Vのスクールに入った。翌年ジュニアユースに入り、そこからユースまで10年間を同クラブで過ごしていく。「きっかけがお兄ちゃんで、いつも前を走ってくれています。最初ヴェルディに入って自信なかったりしたんですけど、お兄ちゃんがやっているんだから自分にもできるはずって思ったり、影響は大きいです」。念願の古巣入団も兄にはLINEで連絡済み。「(東京Vに)行くと思う」という内容に「よかったね」と男兄弟らしい淡泊なやり取りが交わされたという。

 自らの強みを「前線の選手だったんで攻撃が好きなんですけど、攻撃だけをしていてもだめなので。しっかり前に行って戻ってくるという動きを、繰り返したくさんできること」と豊富な運動量で定位置確保を狙う。憧れの選手は同じサイドバックを主戦場とする兄・和樹。「向こうはJ1ですけど、お兄ちゃんとマッチアップすることになったら面白いし、すごく楽しいと思います」。兄の背中を追いかけ、追い越すためにも、自らの足で一歩ずつその距離を縮めていく。

 柏の下部組織で育った上島はプロへの道を選択する上で、古巣を意識しないようにした。「もちろん柏でプレーしたいって思いはありました。でもそれを抜きにして、フラットに見た上での決断になりました」。どのクラブでも当然のようにポジション争いはあり、その中でも環境や雰囲気を考慮して選択した結果が、古巣・柏となったようだ。

 今季J2降格となった柏だが、上島に落胆や絶望の色はない。上島自身も中央大に入学した最初の年に2部降格を経験。大学生活のほとんどを2部でプレーすることになり、最終学年で悲願の1部昇格を達成した。昇格争いの過酷さは十分に身に染みている。「今年の昇格経験は絶対に生きてくると思います。落ち込むことはなくて、自分が中大を上げたように昇格させたいという思いが強いです」と前向きな姿勢だ。

 また、上島は記者会見でも「揺るぎない目標」と語るほど、東京五輪への思いを強く語る。1997年2月5日の早生まれである上島は、2020年夏には23歳5か月になる。国際サッカー連盟(FIFA)が定めた国際大会の年齢基準が1月スタートのため“早生まれが得”という通説があり、それを幼少の頃に聞いた上島は「20年の五輪で計算したらちょうど最年長になる年だったので。絶対に行くぞと決断しました」と明かす。185㎝の恵まれた体格と練習で習得したロングフィードには自信がある。「今は届かない位置かもしれないけど、そこは貪欲にいきます」と自らを鼓舞するように力強く語った。

(取材・文 石川祐介)
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