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関東王者の矢板中央が難敵撃破!「栃木のサッカーを発展させていくため」あと1勝してプレミアリーグへ

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前半35分、矢板中央高MF伊藤恵亮が先制ゴール

[12.14 プレミアリーグプレーオフ1回戦 矢板中央高 1-0立正大淞南高 広島一球]

 高校年代最高峰のリーグ戦への参入をかけた高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018プレーオフは14日に1回戦を実施した。矢板中央高(関東1/栃木)と立正大淞南高(中国2/島根)の一戦は、前半に先制ゴールを奪った矢板中央が1-0で逃げ切った。16日の2回戦では、大津高(九州2/熊本)と対戦する。

「立ち上がりはこちらのペースにできた」とDF白井陽貴(3年)が振り返ったとおり、序盤から優勢に立ったのは矢板中央だった。前線へのロングボールも交えながら着実に相手を押し込み、セカンドボールを回収しての二次攻撃からペースを握っていく。立正大淞南もDF山田祐樹(3年)を中心に粘り強く耐えていたが、35分に矢板中央の武器であるDF後藤裕斗(3年)のロングスローが相手の堅陣を破る。「こぼれてくるのをいつも狙っている」というMF伊藤恵亮(3年)が抜け目なく押し込み、ついに均衡を破った。

 ここまでは矢板中央ペースの試合だったが、徐々に流れが反転。ハーフタイムを機にして攻守の主導権は入れ替わることとなった。立正大淞南は後半から二人を入れ替えて攻勢を強めたのに対し、矢板中央はやや気持ちが守りに入ってしまったのか、「もっと積極的にFWへ入れ続けてよかったのに、入れられなくなってしまった」(高橋健二監督)。

 逆に立正大淞南は持ち前のアグレッシブに縦へ縦へと運ぶ攻めから着実に矢板中央を押し込める。「相手の狙いは前に人数をかけて、入れて拾ってドリブル勝負。その作戦は分かっていたのに対応し切れなかった」と白井が振り返ったように、主導権を握られ続けた。「まったくこぼれ球を拾えない。矢板中央のサッカーができず、だらしない試合をしてしまった」と高橋監督も酷評する内容になった。

 ただ、そうした展開の中で別の強みも見える試合だった。「ゼロで抑えきったことは収穫」と指揮官が振り返ったように白井と2年生DF長江皓亮が組むCBコンビを軸に最後のところは決壊せず。後半41分にFKのこぼれ球から大ピンチを招くようなシーンもあったが、何とか最後まで切り抜け、1-0での辛勝となった。

 プリンスリーグ関東を圧倒的な強さで制した矢板中央だが、「やっぱり甘くないということを選手たちも肌で感じて分かってくれたと思う。立正大淞南さんのようなチームは簡単にやらせてくれないです」と高橋監督。次は「本当に力強いチーム」と評する大津が相手となる。「選手権のことは考えない。まずは明後日の試合に全力を尽くしたい。栃木のサッカーを発展させていくために、プレミアリーグに上がりたい」(高橋監督)と意気込む。

(取材・文 川端暁彦)
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